泉州しらべver0.91

標準管理規約

駐車場の使用と使用細則

標準管理規約は、駐車場を塀や通路、自転車置場と並ぶ附属施設として、規約の対象物件に含めています(別表第1)。第15条第1項は、管理組合が別添の図に示す駐車場を、特定の区分所有者に駐車場使用契約で使わせることができると定めています。バルコニーや専用庭が規約で直接「専用使用権」を認められている(第14条)のに対し、駐車場は管理組合と使う人との契約で区画を割り当てる点が違います。駐車場そのものの管理は、管理組合がその責任と負担で行います(第21条関係コメント②)。コメントによれば、第15条は住戸の数に比べて駐車場の台数が足りず、空き待ちの人が多いマンションを前提にした規定で、倉庫なども駐車場と同じように扱うものとされています。

契約の中身について、第15条は二つのことを定めています。一つは、駐車場を使う人は別に定めるところにより駐車場使用料を管理組合に納めること(第2項)、もう一つは、区分所有者が住戸をほかの人に譲ったり貸したりしたときは、その人の駐車場使用契約が効力を失うこと(第3項)です。ただし、家主が同じ住戸に住みながら行う民泊(家主同居型の住宅宿泊事業)は、第3項の対象ではないと考えられるとされています(コメント⑥)。コメント⑤の契約書のひな型には、契約期間、月額の使用料と納付期限、駐車場使用細則を守ること、常時とめる車の所有者と車両番号と車種を届け出ることが並び、違反があれば管理組合は契約を解除できるとしています。車の保管責任を管理組合が負わない旨を契約か細則に書いておくこと(⑦)、管理費や修繕積立金を滞納した人の契約を解除したり、次の選定に参加できなくしたりする規定を置くこと(⑧)も、コメントで示されています。

だれに区画を割り当てるかは、もめごとになりやすい点です。コメント⑨は、最初の選定は抽選、2回目以降は抽選か申込順にするなど、公平な方法で選ぶものとしています。そのうえで、契約期間が終わったときに使用者を入れ替える方法や、契約の更新を認める方法を定めることもでき、例として、契約に使用期間を設けて期間終了時に公平な方法で入れ替える「定期的な入替え制」を挙げています。全戸分の区画があるマンションでも、平置きか機械式か、屋根があるかで使い勝手に差があるなら、同じように入れ替えることが考えられるとしています。入替えの日に全員の都合を合わせるのが難しい場合は、外部の駐車場に車を移しておくといった対策も示されています。

使用料の額にも、公平の考え方が示されています。コメント⑩によれば、全戸分の区画がない場合などは、近くにある同じ種類の駐車場の料金と釣り合うように設定して、区分所有者の間の公平を保つ必要があります。釣り合いを見るときは、利便性の差も加味します。さらに、平置きか機械式か、屋根付きかといった区画ごとの違いや、高くても特定の区画を希望する人がいるといった事情に応じて、区画ごとに料金を変えることも考えられるとしています。使用料の額と集め方は総会の決議事項で(第48条第六号)、理事会だけでは決められません。

最近は車を持つ人が減って、区画が空いているマンションもあります。コメント①はこの点にも触れ、駐車場の収入はその管理の費用に充て、残りは修繕積立金として積み立てる(第29条)ので、修繕積立金不足への対策などとして、組合員以外の人から使用料を取って使わせることも考えられるとしています。外部に貸すと税金の扱いが変わることがあります。コメントは、すべてが収益事業として課税されるケースもある一方、区分所有者を優先する条件を設けているなどの場合は外部貸しの分だけが課税対象となり、区分所有者が払う使用料は非課税とする国税庁の見解(平成24年2月の照会と回答)が公表されているので参照するよう求めています。なお、総会の決議で敷地や共用部分を第三者に使わせる第16条第2項は、対象から駐車場を除いています。

電気自動車の充電設備を駐車場に設ける例も増えています。コメント④は、設置するときは充電設備を使うときのルールや使用料も駐車場使用細則などに定め、設置費用や運用と維持の費用をだれがどれだけ負担するかを、あらかじめ総会で決議しておくことが望ましいとしています。工事の決議要件については、第47条関係コメントが目安を示しています。充電器と配線用の配管を付けるだけのように、建物の躯体や敷地への加工が小さい工事は普通決議(出席組合員の議決権の過半数)で行えると考えられます。駐車場の増改築工事でも、大規模なものや著しい加工を伴うものは特別多数決議によるとされています。

ここまでの具体的な取り決めは、規約本体ではなく使用細則に書くのが標準管理規約の形です。第18条は、対象物件の使用について別に使用細則を定めるとだけ規定しています。コメントは細則で定める事項の例として、ペットの飼育やピアノの演奏など専有部分の使い方の規制と、駐車場や倉庫の使い方と使用料、置き配や喫煙のルールなどを挙げています。ただし、専有部分の使い方の基本的な事項は規約で定めるべきで、ペットを認めるか認めないかも規約で定める事項です。細則は事項ごとに分けても、一つにまとめてもかまいません。駐車場については、選定方法などの手続や使う人の守ることを「駐車場使用細則」で別に定め、契約書の様式もその細則に位置づけて、あらかじめ総会で合意を得ておくことが望ましいとされています(第15条関係コメント③)。

使用細則の制定、変更、廃止は総会の決議事項です(第48条第一号)。第47条第3項の特別決議の対象には規約の変更が挙がっていますが使用細則は挙がっていないので、標準管理規約では普通決議で決まります。部屋を貸すときは、区分所有者が借りる人に規約と使用細則を守らせ、賃貸借契約にその旨の条項を入れ、借りる人から管理組合へ誓約書を出させます(第19条)。理事長は、区分所有者などから請求があれば、いま有効な使用細則の内容を記した書面を見せなければなりません(第72条第4項)。各マンションの規約や細則は標準管理規約と違うことがあるので、駐車場の決まりを見直すときは、自分のマンションの第15条にあたる条文と駐車場使用細則を並べて確かめてください。

出典:国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント(令和7年10月17日改正)

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