泉州しらべver0.91

標準管理規約

団地型の標準管理規約(団地総会と棟総会、費用の区分)

団地型の標準管理規約は、区分所有法第65条を土台にしています。同条は、団地内の土地や附属施設が数棟の建物の所有者の共有になっている場合、その所有者(団地建物所有者)全員で、土地、附属施設、専有部分のある建物の管理を行う団体を作り、集会を開いて規約を定められるとしています。団地型第6条はこの団体を団地管理組合とし、第3条は法第65条の集会を「団地総会」と呼びます。共有の範囲は二重になっています。第9条により、土地、団地共用部分、附属施設は団地建物所有者全員の共有で、棟の共用部分はその棟の区分所有者だけの共有です。団地共用部分とは、集会所のような附属施設である建物を規約で団地全体の共用部分としたもので、その旨を登記しないと第三者に対抗できません(区分所有法第67条第1項)。

団地型は、土地や附属施設だけでなく各棟も団地全体で一元的に管理する形をとり、棟ごとの管理組合は置いていません(コメント全般関係⑤)。ただし、棟の管理を団地の規約に取り込むには、団地総会の決議だけでは足りません。区分所有法第68条第1項は、専有部分のある建物を団地の規約で管理するには、全部の棟でそれぞれ集会を開き、区分所有者と議決権の各過半数が出席したうえで、出席者とその議決権の各4分の3以上で決議することを求めています。コメント第50条関係は、後から分譲された棟が同じ共有関係に加わったときは、従前の棟も含めた各棟の棟総会と団地総会の両方で4分の3以上の決議をして団地の規約に位置づけるとしています。反対に棟の管理を各棟に戻すときは、団地総会の4分の3以上で団地の規約を変え、各棟がその棟の管理のための規約を作ります。

費用の区分は単棟型と大きく違います。単棟型第25条の管理費等は管理費と修繕積立金の二つですが、団地型第25条は管理費、団地修繕積立金、各棟修繕積立金の三つです。管理費は、棟の管理に当たる額をその棟の区分所有者に棟の共用部分の共有持分に応じて、それ以外の管理に当たる額を団地建物所有者に土地の共有持分に応じて割り付けます(第2項)。団地修繕積立金は土地の共有持分に応じ(第3項)、各棟修繕積立金はその棟の共用部分の共有持分に応じて算出します(第4項)。土地の共有持分は、各棟の延べ面積が全棟に占める割合を出し、棟の中では専有部分の床面積の割合で分ける考え方です(コメント第10条関係①)。コメント第25条関係は、管理費を実費などを考えて棟の分とそれ以外にあらかじめ按分するとし、各棟の構造や設備、グレードがあまり違わなければ土地の共有持分の割合によることもできるとしています。

二つの積立金は、使える対象が違います。団地修繕積立金は土地、附属施設、団地共用部分の計画修繕や改良などに(第28条第1項)、各棟修繕積立金はその棟の共用部分の計画修繕や改良などに(第29条第1項)充てる場合に限って取り崩せます。第30条は三つの費用を分けて経理するよう定め、各棟修繕積立金はさらに棟ごとに分けて経理します。このため、ある棟の区分所有者が積み立てた各棟修繕積立金は、その棟の共用部分にしか使えません。駐車場使用料などの使用料は、管理に要する費用に充てたうえで、土地の共有持分に応じて棟ごとに各棟修繕積立金として積み立てます(第31条)。コメントはその理由を、棟の共用部分の修繕費のほうが団地共用部分等より多額になると想定したためと説明し、団地共用部分等の修繕に多額の費用が見込まれる場合は団地修繕積立金に積み立てるのが適当としています。

団地総会は総組合員で組織し、理事長が招集して議長を務めます(第44条)。この点は単棟型の総会(第42条)と同じです。議決権の割合は別表第5で定め(第48条第1項)、コメントは土地の共有持分の割合か、それを基礎に賛否を数えやすい数字に直した割合によるのが適当としています。団地総会の議決事項(第50条)には、団地修繕積立金だけでなく各棟修繕積立金の保管と運用方法や取崩しも入っています(第七号、第十号)。ある棟の修繕積立金を使う決議も、原則として団地全体で行うということです。

これに対し、棟ごとに開くのが棟総会です。第68条は、棟総会を区分所有法第3条の集会とし、その棟の区分所有者全員で組織すると定めています。理事長が招集するのではなく、その棟の区分所有者総数の5分の1以上と議決権総数の5分の1以上に当たる区分所有者の同意を得て招集します(第2項)。コメントは、各棟では日常的な管理をせず管理者も選ばないため、管理者がいないときの招集を定めた区分所有法第34条第5項によったと説明しています。招集通知は原則として会議の2週間前までに出し、建替えなどの決議では2か月前までです(第69条第1項)。議決権は棟の共用部分の共有持分の割合を基礎にするのが適当とされます(コメント第71条関係①)。コメント第68条関係④は、招集の世話人役を前もって決めておくことを勧め、その棟から選ばれた団地管理組合の役員が兼ねることも考えられるとしています。

棟総会で決める事項は第72条に並んでいます。区分所有法で団地に準用されていない規定に関する規約の制定や変更、義務違反者に対する差止めや使用禁止、競売などの訴え(法第57条から第60条)、建物の一部が滅失したときの棟の共用部分の復旧、建替えや建物の更新、取壊し、他の棟と一括して建替え承認決議にかけること、建替えなどの合意形成に必要な調査とそのための各棟修繕積立金の取崩しです。コメント第76条関係は、法第57条から第60条が団地に準用されていないので、これらの措置は棟ごとに行うと説明しています。コメント第72条関係は、これらを団地総会の議決事項にはできないとしたうえで、他の棟への影響も考えられるため、計画段階で他の棟の意見を聞いたり、決める前に理事会や団地総会に報告したりして理解を得るよう勧めています。決議は原則として区分所有者総数と議決権総数の各過半数の出席と、出席者とその議決権の各4分の3以上で行います。建替え、建物の更新、取壊しは各5分の4以上で、耐震性が基準に満たないなど法第62条第2項の事由に当たる建物では各4分の3以上です(第73条)。

団地の建替えには、棟ごとの合意と団地の承認による方法と、団地全体の一括建替え決議による方法があります(コメント第28条及び第29条関係⑤)。棟ごとに建て替えるときは、その棟の建替え決議に加えて、団地総会で建替え承認決議を得ます(区分所有法第69条第1項、団地型第49条第5項)。承認決議の議決権は別表第5ではなく、建て替える建物が建つ土地の持分の価格の割合により、議決権総数の過半数が出席し、原則として出席者の議決権の4分の3以上で承認します。他の棟の建替えに特別の影響を及ぼすときは、その棟の区分所有者全員の議決権の4分の3以上の賛成も必要です。一括建替え決議は、団地内の建物がすべて区分所有建物で敷地が共有され、各棟が法第68条により団地の規約で管理されている場合に限って使えます(法第70条第1項)。原則として組合員総数と議決権総数の各5分の4以上で決しますが、どれか1棟で区分所有者または議決権の3分の1を超える反対があれば決議できません(団地型第49条第8項、第9項)。

出典:国土交通省 マンション標準管理規約(団地型)・同コメント(令和7年改正)/国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(令和7年10月17日改正)/e-Gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律(令和8年4月1日施行版)

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