泉州しらべver0.91

標準管理規約

複合用途型の標準管理規約(住宅部分と店舗部分)

複合用途型の標準管理規約は、一般分譲の住居と店舗を併用する単棟型マンションを対象にしています(コメント全般関係②)。コメント③は、複合用途型には大規模な再開発によるものと、低層階が店舗で上階が住宅という住宅主体のものがあり、数の多い後者を対象にしたと説明しています。前者は住宅と店舗の独立性が強く物件ごとの個別性も強いので、実態に応じて個別に対応するよう求めています。管理の形は単棟型と同じで、区分所有者全員で一つの管理組合をつくります(第6条)。一部の区分所有者だけの共有物である一部共用部分も全体で一元的に管理し、住宅だけ、店舗だけの「一部管理組合」は置いていません(全般関係⑤)。

違いはまず、建物の分け方に出ます。単棟型の第7条は専有部分を住戸だけとしますが、複合用途型は住戸部分と店舗部分の二つに分けます(第7条第1項)。境界の定めでは玄関扉と並べてシャッターを挙げ、錠と内部塗装の部分を専有部分としています(同条第2項第二号)。共用部分は三つに区分します(第8条)。住戸部分の区分所有者だけが使うことが明らかな部分が「住宅一部共用部分」、店舗部分の区分所有者だけが使うことが明らかな部分が「店舗一部共用部分」、どちらでもない部分が「全体共用部分」です。別表第2は例として、住宅用エントランスホールや住宅用エレベーター設備を住宅側に、店舗用階段や店舗用共用トイレを店舗側に挙げ、屋上、外壁、柱や床スラブ、電気室などを全体共用部分にしています。

共有の範囲もこの区分に合わせて分かれます。敷地、全体共用部分、附属施設は区分所有者全員の共有、住宅一部共用部分は住戸部分の区分所有者だけの共有、店舗一部共用部分は店舗部分の区分所有者だけの共有です(第9条)。共有持分を示す別表第3も、敷地と全体共用部分のほかに住宅一部と店舗一部の欄を設けています(第10条)。コメント第10条関係①は、一部共用部分の持分を、それを共用する区分所有者の専有部分の床面積の割合で決めるとしています。

そのため、費用の取り方が単棟型より細かくなります。単棟型の管理費等は管理費と修繕積立金の二つで、共用部分の共有持分に応じて決めます(単棟型第25条)。複合用途型では、全員が納める全体管理費と全体修繕積立金(第25条)に加え、住戸部分の区分所有者は住宅一部管理費と住宅一部修繕積立金を、店舗部分の区分所有者は店舗一部管理費と店舗一部修繕積立金を納めます(第26条)。全体管理費等の額は二段階で決めます。まず住戸部分のための費用と店舗部分のための費用を按分し、そのうえで住戸、店舗それぞれの中で各区分所有者の全体共用部分の持分に応じて割り付けます(第25条第2項)。コメント第25条関係及び第26条関係①は、この按分を費用項目ごとに発生の原因を考えて振り分けるのが適当としています。一部管理費等は、それぞれの一部共用部分の持分に応じて算出します(第26条第2項)。

使いみちと会計も三つに分かれます。全体管理費は敷地、全体共用部分、附属施設の通常の管理に(第28条)、住宅一部管理費と店舗一部管理費はそれぞれの一部共用部分の通常の管理に充てます(第29条)。全体修繕積立金は全体共用部分などの計画修繕や改良などに(第30条)、住宅一部と店舗一部の修繕積立金はそれぞれの一部共用部分の修繕などに限って取り崩せます(第31条第2項)。第32条は、これら六つの費用をそれぞれ区分して経理するよう求めています。単棟型の区分経理は、修繕積立金を管理費と分けるだけです(単棟型第28条第4項)。決算で余りが出たときは、全体、住宅一部、店舗一部のそれぞれの翌年度の費用に回します(第66条第1項)。長期修繕計画でも、工事金額を全体、住戸部分の共有部分、店舗部分の共有部分に分けて定めることを最低限の内容に挙げ、劣化診断の費用を修繕積立金から出すときは三つの積立金で公平に按分するよう求めています(コメント第36条関係②④)。

店舗の使い方については、用途と看板の定めがあります。第12条は住戸部分を専ら住宅とする一方、第3項で、店舗部分は店舗として使い、暴力団の活動に使うなど他の区分所有者の迷惑になる営業形態や営業行為をしてはならないとしています。コメント第12条関係⑥は、マンションの特性や周辺環境を考えて、店舗の種類、営業時間、営業方法を具体的に定めることもできるとしています。看板については、別表第4が、シャッターを営業用広告の掲示場所に、店舗前面敷地を営業用看板の設置場所と通路に使う専用使用権を店舗の区分所有者に認める形を示しています(第14条第1項)。店舗前面敷地の専用使用権者は専用使用料を納めます(同条第2項)。コメント第14条関係②は、店舗の看板の設置について内容や手続を使用細則で定めるとしています。区分所有者は、同居する者に加えて、その店舗に勤務する者にも規約と総会の決議を守らせなければなりません(第3条第2項)。

住宅側と店舗側の意見を集める仕組みとして、第60条は住戸部分の区分所有者で構成する住宅部会と、店舗部分の区分所有者で構成する店舗部会を置き、組織と運営は部会運営細則で定めるとしています。コメント第60条関係①によれば、部会は管理組合としての意思を決める機関ではなく、それぞれの一部共用部分の管理などについて協議する組織です。同②は、住宅と店舗からそれぞれ選ばれた役員が部会の役員を兼ね、部会の意見が理事会に反映される仕組みが有効だとしています。役員の選び方についても、コメント第39条関係⑦は、住宅と店舗の戸数や面積に比例して員数を割り当てるなど、意向を公平に反映する方法に配慮するよう求めています。議決権は全体共用部分の持分の割合を基本とし、住宅と店舗それぞれの中で持分があまり違わなければ、それぞれの中で同じ議決権にすることもできます(コメント第50条関係①②)。

規約を作るときや見直すときの注意として、コメント全般関係⑧は、店舗の駐車場や店舗前スペースなどの専用使用部分、看板、業種や営業時間を、最初の規約で実態に応じて細かく定めておくことが後のトラブルを避けるうえで重要だとしています。店舗専用に駐車場の使用権を設ける場合は、店舗部分に特別の利益を与えることになるので、使用条件や使用料を別に考える必要があるとされています(コメント第15条関係⑪)。複合用途型は単棟型より条が多く、理事会の構成が単棟型では第51条、複合用途型では第55条というように条番号がずれます。自分のマンションの規約が標準管理規約と違う形をとっていることもあるので、費用の区分や店舗の用途は、規約の条文と別表で確かめることになります。

出典:国土交通省 マンション標準管理規約(複合用途型)及び同コメント(令和7年改正)/国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント(令和7年10月17日改正)

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