泉州しらべver0.91

標準管理規約

標準管理規約とは(単棟型・団地型・複合用途型)

「マンション標準管理規約」は、国土交通省が作る管理規約のひな形です。コメント(全般関係①)は、国が情報提供などに努めるとした適正化法の規定を踏まえ、管理組合が実態に応じて規約を作ったり変えたりするときの「参考」として作成し、周知するものだと説明しています。そのため、標準管理規約が改正されても、それだけで自分のマンションのルールが変わるわけではありません。マンションを縛るのは、総会の特別決議(区分所有法第31条)で定めた自分のマンションの規約です。コメント④も、規模や居住形態などの事情を考えて、必要に応じて合理的に修正して使うことが望ましいとしています。標準管理規約自身も、規約や細則に定めのない事項は法令により、法令にも定めのない事項は総会の決議で決めるという条(第71条)を置いています。

規約で定められる範囲は、区分所有法第30条第1項が決めています。建物・敷地・附属施設の管理や使用に関する区分所有者どうしの事項は、法律に定めるもののほか、規約で定めることができます。法律の条文には「規約で別段の定めをすることを妨げない」「規約に別段の定めがない限り」と書かれたものがあり、共用部分の持分の割合(第14条)、共用部分の管理(第18条)、共用部分の費用の負担(第19条)、議決権の割合(第38条)、普通決議の要件(第39条)などがこれに当たります。標準管理規約はこの余地を使って書かれています。たとえば第21条のコメントは、保存行為は各共有者が単独でできるという法第18条第1項ただし書に対し、同条第2項にもとづいて規約で別の定めをしたものだと説明しています。

反対に、法律が規約で動かせる幅を限っている事項もあります。規約の設定・変更・廃止の決議は出席者の各4分の3以上が必要で、規約で変えられるのは定足数を引き上げる方向だけです(区分所有法第31条第1項)。共用部分の変更の4分の3は、2分の1を超える範囲であれば規約で下げられます(第17条第1項)。総会の招集通知を会日の1週間前までに出すことは、規約で期間を延ばせても短くはできません(第35条第1項)。規約は区分所有者の間の利害の衡平が図られるように定め、区分所有者以外の人の権利を害することはできません(第30条第3項・第4項)。国土交通省は、各マンションの規約のうち改正区分所有法に抵触する規定は、施行日の2026年4月1日以降効力を失うと説明しています。

標準管理規約には単棟型・団地型・複合用途型の3つがあり、令和7年10月17日の改正は3つすべてに及んでいます。単棟型は、一般分譲の住居専用の単棟型マンションが対象です。団地型は、住居専用のマンションが数棟あり、団地内の土地と集会所などの附属施設が全棟の区分所有者の共有になっている団地が対象です。土地の共有が棟ごとに分かれ、集会所などだけを全棟で共有している団地は対象外で、各棟は単棟型を参考にし、附属施設についてだけ全棟で規約を作る形が示されています。団地型でも、建替えなど区分所有法で棟ごとに扱う事項は棟総会で決議します。複合用途型は、低層階に店舗があり上階が住宅という、住宅が主体の住居・店舗併用の単棟型が対象です。店舗の割合が小さく、店舗用・住宅用の一部共用部分がなければ、単棟型や団地型を参考にすることも考えられるとしています。

条文のあとには、条ごとに「コメント」が付いています。コメントは規約の条文そのものではなく、規定の趣旨や解釈と、各マンションが選べる書き方の例を示したものです。たとえば第12条は、住宅宿泊事業(いわゆる民泊)を可能とする場合と禁止する場合の2通りの条文を並べ、コメントで可能か禁止かを明記することが望ましいとしています。第35条のコメントは、役員の資格を組合員とする基本の形のほか、外部の専門家を選べるようにする書き方や、居住要件を加える書き方を挙げています。第47条のコメントは、総会の定足数を「議決権総数の過半数」としたうえで、住戸数の少ない小規模マンションなどでは改正前と同じ「半数以上」とすることも考えられるとしています。自分の規約を見直すときは、条文だけでなくコメントの選択肢まで読むと、自分のマンションに合う形を選びやすくなります。

国土交通省のページは、平成28年3月14日、平成29年8月29日(民泊への対応)、平成30年3月30日(団地型のみ)、令和3年6月22日、令和6年6月7日、令和7年10月17日の改正を案内しています。自分の規約がどの版をもとにしているかは、まず附則の効力発生日と、規約を変えた総会の議事録で確かめます。標準管理規約第72条と同じ形なら、理事長が規約原本と現に有効な規約の内容を記した書面を保管しており、区分所有者は閲覧を求められます。条文の言い回しも手がかりになります。総会の定足数が「議決権総数の半数以上」なら令和7年改正前の形、役員の資格が「現に居住する組合員」なら平成23年改正前の形、住宅宿泊事業の可否を書いた条があれば平成29年改正以降の形をもとにしている可能性があります。ただし、標準管理規約と違う書き方を選んだ規約もあるので、言い回しだけでは決められません。

出典:国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(令和7年10月17日改正)/国土交通省 マンション標準管理規約(団地型)・同コメント(令和7年改正)/国土交通省 マンション標準管理規約(複合用途型)・同コメント(令和7年改正)/国土交通省 令和7年マンション標準管理規約改正の詳細等/国土交通省 令和7年改正マンション標準管理規約を踏まえた管理規約の改正を行う場合の手続の留意点について/e-Gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律(令和8年4月1日施行版)

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