泉州しらべver0.91

標準管理規約

総会・理事会のIT化(WEB会議と電磁的方法)

標準管理規約(単棟型)は、IT化に関わる三つの言葉を第2条で定義しています。「電磁的記録」は、パソコンのファイルやCD-Rのような記録媒体に情報を記録したものです(第十号)。「電磁的方法」は情報通信の技術を使う方法で、相手のパソコンに送って記録させる方法、こちらのファイルを相手に見せて相手のパソコンに記録させる方法(第十一号イ)と、記録媒体を渡す方法(同号ロ)に分かれます。コメントは、電子メールの送信、ホームページへの書込み、CD-Rの交付を例に挙げています。「WEB会議システム等」は、通信回線を通じて映像と音声をその場で双方向にやりとりできる会議システムをいいます(第十二号)。

そのうえで標準管理規約は、多くの条文を「電磁的方法が利用可能ではない場合」の(ア)と「利用可能な場合」の(イ)の2通りで示しています。議決権の行使(第46条)、出席者の数え方(第47条第7項)、議事録(第49条)、総会を開かない決議(第50条)、理事会の議事録(第53条第4項)、規約原本(第72条)などがそうです。コメント第2条関係は、一部の方法しか使えない管理組合は利用状況に合わせて規約を作るのが望ましいとし、メールやホームページは使えないがCD-Rなら読める場合は、第十一号のイを定めないことを例に挙げています。自分のマンションの規約がどちらの型で書かれているかで、以下の扱いが変わります。

総会の会議には、WEB会議システム等を使って開く会議も含まれます(第47条第1項)。招集通知に開催方法を書くことは総会の記事で説明しました。コメント第47条関係は、議決権を行使できる組合員がWEB会議で出席すれば定足数の出席者に数えられ、議決権を行使しない傍聴人として視聴するだけの組合員は数えられないとしています。理事長がWEB会議で出席して通常総会に報告することもできますが、会場で行う場合と同じように組合員の質問に答える必要があるとされています(コメント第38条関係)。マンション再生等の決議の前に開く説明会も、WEB会議で開けます(コメント第43条関係)。

会議に出ない組合員が電磁的方法で議決権を行使する道は、区分所有法第39条第3項が開いています。規約か集会の決議があれば、書面による議決権行使に代えて電磁的方法で行使でき、その行使は書面による行使とみなされて出席者の数に入ります。標準管理規約の(イ)は、この規約の定めとして、電磁的方法による議決権行使と委任状の提出を第46条第8項と第9項に置き、第10項では所有者不明専有部分管理人が資格を示す書面の写しを電磁的方法で出せるとしています。(ア)にはこれらの項がなく、第47条第7項の数え方も書面と代理人だけです。WEB会議で出席した人の議決権行使はこれとは別の扱いで、規約の定めは要りません(コメント第46条関係)。

総会を開かずに決める方法もあります。第50条は、規約で総会の決議が必要とされる事項について、組合員全員の承諾があれば書面または電磁的方法で決議できると定めています。電磁的方法で決議するときは、前もって使う方法の種類と内容(送信する側が使う方法と、ファイルへの記録の方式)を組合員に示し、書面か電磁的方法で承諾を得ておきます(同条第1項・第2項)。全員が書面か電磁的方法で合意すれば決議があったものとみなされ(第3項)、総会の決議と同じ効力を持ち(第4項)、総会に関する規定が準用されます(第6項)。区分所有法第45条が同じ仕組みを定めています。全員の承諾が要件なので、一人でも承諾しなければ使えません。(ア)の第50条は書面による決議だけを定めています。理事の過半数の承諾で使える理事会の書面決議(第53条第2項)とは要件も対象も違います。

理事会も、WEB会議システム等を使う会議を含めて理事の半数以上の出席で開けます(第53条第1項)。コメント第53条関係は、WEB会議で出席した理事は定足数の出席理事に含まれるとし、WEB会議で開く理事会の議決権の行使方法などを規約や第70条の細則で定めることも考えられるとしています。その場合も規約や細則に従って議事録を作る必要があります。理事長が理事会への定期報告をWEB会議で行うこともでき、この場合も理事の質問に適切に答える必要があります(コメント第38条関係)。監事は、電磁的記録で作られた書類を必要に応じて遠隔地から電磁的方法で監査することが想定されています(コメント第41条関係)。

記録の電子化も(イ)で定められています。第49条(イ)では、議長は議事録を書面か電磁的記録で作り、電磁的記録なら議長と出席組合員2名が電子署名をします。コメントは、電子署名を、作成者を示し、改変がないか確かめられる措置と説明しています。閲覧は記録を画面や紙に表示して保管場所で見せる方法で、求めがあれば閲覧に代えて電磁的方法で提供できます(第49条第5項)。理事会の議事録も、(イ)では第49条の第6項以外を準用するので、電子署名の定めが及びます(第53条第4項)。第72条(イ)は、区分所有者全員が電子署名した電磁的記録を規約原本にできるとし、閲覧の請求も電磁的方法で受け付けます。区分所有法も、規約は書面か電磁的記録で作るとし(第30条第5項)、議事録の電磁的記録での作成と署名に代わる措置を定めています(第42条第1項・第4項)。標準管理規約は国のひな形なので、自分の規約の第2条と各条が(ア)(イ)のどちらで書かれているかを確かめてください。

出典:国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)及び同コメント(令和7年10月17日改正)/e-Gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律(令和8年4月1日施行版)

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