マンション管理のしくみ
新しく理事になった方に向けて、マンション管理の基本を整理しました。法律や国の指針は変わることがあります。 大事な判断の前には、各節の出典と、ご自分のマンションの管理規約を確かめてください。(2026-10-03 時点)
1. マンション管理とは
分譲マンションは、一棟の建物を部屋ごとに分けて、それぞれ別の人が所有しています。この仕組みを「区分所有」といい、ルールは「建物の区分所有等に関する法律」(区分所有法)が定めています。部屋の持ち主を「区分所有者」と呼びます。
建物は「専有部分」と「共用部分」に分かれます。専有部分は、各自が所有する住戸の中です。共用部分は、それ以外の部分で、廊下や階段、エレベーター、外壁、屋上などが当たります。共用部分は区分所有者全員の共有で、持分は原則として専有部分の床面積の割合で決まります。
区分所有法は、区分所有者は全員で建物と敷地・附属施設を管理する団体をつくる、と定めています。この団体が「管理組合」です。入るかどうかを選ぶものではなく、部屋を買って区分所有者になれば自動的に組合員になります。部屋を売れば組合員でなくなります。
共用部分の費用は、規約に別の定めがなければ、持分に応じて全員で負担します。毎月の管理費や修繕積立金は、この負担を前もって集めておくものです。2026年4月施行の改正で、区分所有者は建物の管理について互いに協力しなければならないという責務も条文に書き込まれました。
- 専有部分:各自が所有する住戸の内部
- 共用部分:廊下・階段・エレベーター・外壁・屋上など、専有部分以外の部分
- 管理組合:区分所有者全員で構成。任意加入ではない(区分所有法第3条)
出典:e-Gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律(令和8年4月1日施行版)/法務省民事局「区分所有法・被災区分所有法の改正について」(令和8年4月)
2. 管理組合・総会・理事会の役割
管理組合の最高の意思決定の場は「総会」です。区分所有法では「集会」と呼び、管理者は少なくとも毎年1回招集しなければなりません。招集通知は会日の少なくとも1週間前に、議題と議案の要領を示して出します。2026年4月の改正で、全ての議題について「議案の要領」を示すことになり、この1週間は規約で短くできないことが明確になりました。
区分所有法は、区分所有者の代表として「管理者」を置けると定めています。国土交通省の「マンション標準管理規約」(ひな形。次の節で説明します)では、理事長を区分所有法上の管理者とし(第38条第2項)、理事長・副理事長・会計担当理事・理事・監事を置き、理事と監事は総会で選び、理事長などは理事の中から理事会で選ぶ形になっています。
理事会は理事で構成し、総会に出す議案(予算・決算・規約の改正案など)を決めたり、日常の業務を執行したりします。標準管理規約では、理事の半数以上が出席して開き、出席理事の過半数で決めます。監事は、管理組合の業務の執行と財産の状況を監査し、総会に報告します。
役員の任期は、標準管理規約では「○年」と空欄になっており、コメント(解説)で「組合の実情に応じて1~2年」とされています。業務を引き継ぎやすくするため、任期2年で半数ずつ改選する方法も示されています。実際の任期は、自分のマンションの管理規約で確かめてください。
- 総会:年1回以上。標準管理規約では通常総会は新年度開始後2か月以内、招集通知は2週間前
- 理事会:理事の半数以上の出席で成立、出席理事の過半数で議決(標準管理規約第53条)
- 監事:業務執行と財産状況の監査(標準管理規約第41条)
- 任期の例:1~2年(標準管理規約第36条コメント)
出典:e-Gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律(令和8年4月1日施行版)/国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(令和7年10月17日改正)/法務省民事局「区分所有法・被災区分所有法の改正について」(令和8年4月)
3. 管理規約と使用細則
「管理規約」は、そのマンションの管理や使い方について、区分所有者どうしで決めたルールです。区分所有法は、法律に定めるもののほか、建物・敷地・附属施設の管理や使用に関することを規約で定められるとしています。規約は、書面か電子データで作ります。
規約を作る・変える・廃止するには、総会の特別決議が必要です(決議の要件は「総会の決議」の節で説明します)。一部の区分所有者の権利に特別の影響が出る変更は、その人の承諾も要ります。規約は、あとから部屋を買った人や相続した人にも効力が及びます。
「使用細則」は、規約にもとづいて、ふだんの使い方を細かく決めたものです。駐車場、自転車置場、ペットの飼育、専有部分のリフォーム、ゴミ出し、バルコニーの使い方などが典型です。国土交通省の令和5年度マンション総合調査では、管理規約がある管理組合は94.7%、使用細則・協定等がある管理組合は88.5%でした。定めている細則は「駐車場」81.8%、「専有部分に係る使用・居住」81.1%、「自転車置場・バイク置場」72.9%、「専有部分の修繕等」71.4%、「ペット飼育」70.5%の順です。
トラブルの多くは、規約や細則に書いてあるかどうかで対応が変わります。理事になったら、まず自分のマンションの規約と細則を手元に置き、どこに何が書いてあるかを確かめておくと、判断が速くなります。
- 規約で定められること:管理・使用に関する区分所有者相互間の事項(区分所有法第30条)
- 規約の設定・変更・廃止:総会の特別決議(区分所有法第31条)
- 使用細則:規約にもとづく具体的な使い方のルール(標準管理規約第18条)
出典:e-Gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律(令和8年4月1日施行版)/国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果概要/国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(令和7年10月17日改正)
4. マンション標準管理規約
「マンション標準管理規約」は、国土交通省が、管理規約を作ったり改正したりするときのひな形として示しているものです。国はマンション管理適正化法にもとづく情報提供として作成・周知しており、コメント(解説)では、各マンションの規模や居住形態などの事情に応じて合理的に修正して使うことが望ましいとしています。国土交通省は、標準管理規約に合わせて変えないと区分所有法に抵触するなど、変更が必須の項目と、変更が望ましい項目を分けて示しています(改正の概要の◎と○)。
種類は、一般分譲の住居専用の「単棟型」、数棟がある「団地型」、店舗などが入る「複合用途型」の3つです。どれも条文ごとに「コメント」が付いていて、規定の趣旨や、選べる書き方の例が書かれています。
直近の改正は令和7年(2025年)10月17日です。2026年4月1日施行の区分所有法改正に合わせたもので、国土交通省は「皆様のマンションの管理規約も見直しが必要になります」と案内しています。主な改正点は、総会の定足数を議決権総数の「半数以上」から「過半数」に見直したこと、特別決議も出席者の多数決にしたこと、バリアフリー化などの共用部分の変更の決議要件を3/4から2/3に緩めたこと、全ての議案について「議案の要領」を通知すること、緊急時の招集通知の最短期間を5日から1週間にしたこと、所在等不明区分所有者を決議から除く手続きや国内管理人の届出を新しく設けたことなどです。修繕積立金を「改良」工事やマンション再生の検討の調査にも使えることも明確にしました。そのほか、理事の職務代行者、役員の欠格条項、なりすまし防止の本人確認、防火管理者、喫煙ルールの考え方も加わっています。
国土交通省は、規約改正を決める総会の招集を2026年3月31日までに行ったか、4月1日以降に行うかで手続きが変わると注意しています。4月1日以降に招集する総会では、改正区分所有法に沿った定足数・決議要件を満たす必要があります。
自分の規約と見比べるときは、次の点から確かめると要点を押さえやすくなります。総会の定足数と決議要件が改正法に合っているか。WEB会議や電子投票(電磁的方法)を使える書き方になっているか。役員を区分所有者に限っているか、外部専門家も選べるか。専有部分のリフォームを理事長の承認制にしているか。滞納への対応(遅延損害金・法的措置)が書いてあるか。修繕積立金の使い道の範囲。これらの多くは条番号まで国のひな形と比べられます。
- 役員と資格:第35条(理事・監事は総会で組合員から選任。外部専門家を選べる規定例あり)、第36条の2(欠格条項)
- 任期:第36条(「○年」。コメントで1~2年)
- 利益相反取引の防止:第37条の2(理事会での開示と承認)
- 総会の定足数・決議:第47条(定足数は議決権総数の過半数。WEB会議システム等を用いる会議を含む)
- 理事会の決議事項:第54条(予算・決算案、規約改正案、長期修繕計画案、リフォームの承認、滞納への法的措置など)
- 専有部分の修繕等:第17条(共用部分や他の住戸に影響するおそれがある工事は理事長に申請し、理事会決議で承認)
- 管理費等の徴収・滞納:第60条(遅延損害金・違約金としての弁護士費用等の請求、理事会決議で訴訟その他の法的措置)。コメントで、滞納者への措置は理事長の最も重要な職務の一つとされる
- 外部専門家の活用:全般関係コメント③と別添1(理事・監事外部専門家型、外部管理者・理事会監督型、外部管理者・総会監督型の3つ)
出典:国土交通省 マンション標準管理規約/国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(令和7年10月17日改正)/国土交通省 令和7年マンション標準管理規約改正の概要/国土交通省 令和7年改正マンション標準管理規約を踏まえた管理規約の改正を行う場合の手続の留意点について
5. 総会の決議
総会の決め方には「普通決議」と「特別決議」があり、建替えなどはさらに重い要件です。2026年4月1日施行の改正区分所有法で、建替えなど区分所有権の処分を伴う決議を除き、決議は「出席者の多数決」に変わりました。出席者には、議決権行使書や委任状で議決権を行使した人も含みます。改正前は、規約の変更などは区分所有者全員を母数にしていたため、無関心で投票しない人が実質的に反対票と同じ扱いになっていました。
普通決議は、法律や規約に別の定めがなければ、出席した区分所有者とその議決権の各過半数で決めます。法律上の定足数はありませんが、標準管理規約は総会の成立に議決権総数の過半数の出席を求め、普通決議を出席組合員の議決権の過半数としています。
規約の変更や、形や効用が大きく変わる共用部分の変更は特別決議です。区分所有者と議決権の各過半数が出席し、出席者の各3/4以上の賛成が必要です。共用部分の変更は、外壁の剥落のおそれや耐震性不足など他人の権利を侵害するおそれがある場合や、バリアフリー化のために必要な場合は、2/3以上に下がります。
建替え決議は、区分所有者と議決権の各4/5以上です。こちらは出席者ではなく全体が母数です。耐震性や火災に対する安全性の不足、外壁等の剥落のおそれ、配管の劣化で衛生上有害となるおそれ、バリアフリー基準への不適合のどれかに当たる場合は、3/4以上に下がります。招集通知は会日の2か月前まで、説明会は1か月前までに開きます。改正で、建物の更新(一棟リノベーション)、建物と敷地の一括売却、取壊しも同じような多数決でできるようになりました。
行方が分からない区分所有者は、裁判所に認めてもらえば、全ての決議の母数から外せるようになりました。古い規約の決議要件が改正法と合わない場合があります。決議の前に、規約と改正法の両方を確かめてください。
- 普通決議:出席者(書面・委任状を含む)の区分所有者数と議決権の各過半数(区分所有法第39条)
- 特別決議(規約の変更・共用部分の重大な変更):各過半数の出席+出席者の各3/4以上(第17条・第31条)
- 共用部分の変更で瑕疵の除去・バリアフリー化に必要な場合:出席者の各2/3以上(第17条第5項、標準管理規約第47条第4項)
- 建替え決議:全体の各4/5以上。耐震性不足などの客観的事由があれば3/4以上(第62条)
- 所在等不明区分所有者:裁判所の裁判で決議の母数から除外(第38条の2)
出典:e-Gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律(令和8年4月1日施行版)/法務省民事局「区分所有法・被災区分所有法の改正について」(令和8年4月)/国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(令和7年10月17日改正)
6. お金:管理費と修繕積立金
管理組合のお金は、大きく「管理費」と「修繕積立金」に分かれます。標準管理規約では、どちらも共用部分の共有持分に応じて決めることになっています。
管理費は、ふだんの管理に使うお金です。管理員の人件費、共用設備の保守・運転費、共用部分の火災保険料、清掃費、管理会社への委託費、小さな補修費などに充てます。修繕積立金は、将来の大きな修繕のために積み立てるお金です。標準管理規約では、計画的な修繕、不測の事故による修繕、共用部分の改良・変更、建替えなどの検討の調査などに限って取り崩せるとしています。2つのお金は区分して経理します。
国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)は、実際の長期修繕計画を集めて、修繕積立金の額の目安を示しています。目安は、計画期間全体で必要な修繕工事費を専有面積1㎡あたりの月額にしたものです。たとえば地上20階未満で延床面積5,000㎡未満なら平均335円、事例の3分の2が入る幅は235~430円です。機械式駐車場がある場合は、別に加算します。目安から外れていても、それだけで不適切とは判断されないとしています。
積み立て方には、計画期間中ずっと同じ額を積み立てる「均等積立方式」と、最初は低くして段階的に上げる「段階増額積立方式」があります。ガイドラインは、将来の値上げで合意ができず不足する例があるとして、均等積立方式が望ましいとしています。段階増額方式の場合は、最初の額を均等方式の0.6倍以上、最後の額を1.1倍以内にする目安を示しています。令和5年度マンション総合調査では、均等積立方式40.5%、段階増額積立方式47.1%でした。計画に比べて積立額が不足しているマンションは36.6%です。
- 管理費:日常の管理(標準管理規約第27条)
- 修繕積立金:計画修繕・特別の管理に限って取り崩し(同第28条)
- 1戸あたり月額の平均(令和5年度マンション総合調査、駐車場使用料等からの充当を除く):管理費11,503円、修繕積立金13,054円
出典:国土交通省 マンションの修繕積立金に関するガイドライン(令和6年6月改定)/国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(令和7年10月17日改正)/国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果概要
7. 長期修繕計画と大規模修繕
「長期修繕計画」は、将来必要になる修繕工事の内容・時期・費用を見積もり、修繕積立金の額を決める元になる計画です。国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」(令和6年6月改定)は、計画期間を30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上にするとしています。
計画には、建物や設備の劣化の進み方、物価や工事費の変動など、先が読めない要素が含まれます。そのため、ガイドラインは5年程度ごとに調査・診断を行い、その結果にもとづいて計画を見直し、あわせて修繕積立金の額も見直すとしています。見直しには、おおむね1~2年かかるので、計画的に始める必要があります。
標準管理規約では、長期修繕計画の作成と変更は総会の決議事項で、その案は理事会で決めます。
令和5年度マンション総合調査では、長期修繕計画を作っている管理組合は88.4%でした。計画期間が30年以上のものは72.7%、5年ごとを目安に定期的に見直しているのは63.2%です。自分のマンションの計画が何年に作られ、いつ見直されたかを確かめておくと、修繕積立金の議論の前提がそろいます。
- 計画期間:30年以上、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上
- 見直し:5年程度ごと(調査・診断にもとづく。積立金の額も見直す)
- 作成・変更:総会決議(標準管理規約第48条)、案は理事会決議(同第54条)
出典:国土交通省 長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント(令和6年6月改定)/国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(令和7年10月17日改正)/国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果概要
8. 大規模修繕の考え方と最近の流れ
大規模修繕工事は、外壁の塗装や屋上防水などを、足場を組んでまとめて行う工事です。長期修繕計画作成ガイドラインのコメントは、その周期を部材や工事の仕様で異なるとしたうえで、一般的に12~15年程度としています。ガイドラインに載っている修繕周期の例でも、外壁塗装や屋上防水の補修・修繕は12~15年、屋上防水の撤去・新設は24~30年です。周期は目安なので、実際の時期は建物の調査・診断で決めます。
令和5年度マンション総合調査では、大規模な計画修繕で行った工事は「外壁塗装工事」87.1%、「屋上防水工事」75.0%、「床防水工事」61.6%の順でした。工事を検討する専門委員会を置いている管理組合のうち、86.7%が大規模修繕や長期修繕計画に関する委員会です。標準管理規約も、理事会が専門委員会を置いて特定の課題を調査・検討させられるとしています。
進め方について、国土交通省は、管理組合が設計コンサルタントに調査・設計、資料作成、工事業者の選定支援などを委託する「設計・監理方式」が広く採用されていると説明しています。そのうえで、設計コンサルタントと工事業者が受注予定者や金額を事前に調整するなどの不適正な行為がないよう、コンサルタントの中立性を確保し、適正な手続きで業者を選ぶよう求めています。
この問題は以前から指摘されてきました。国土交通省は平成29年(2017年)1月の通知で、自社にバックマージンを払う施工会社が受注できるよう工作し、格安のコンサルタント料で受託して管理組合に損失を与える例があるとして注意を呼びかけています。令和7年(2025年)6月には、談合があった場合に受注者が違約金を払う特約を請負契約に入れられることを周知しました。そして令和8年(2026年)9月28日、公正取引委員会は、関東地区のマンション管理組合が設計コンサル業者に委託して発注した大規模修繕工事をめぐり、施工業者らが受注予定者を決めるなどの不当な取引制限(独占禁止法第3条違反)を行っていたとして、排除措置命令と課徴金納付命令を出しました。同じ日、国土交通省は相談窓口などを改めて周知しています。
費用面では、修繕積立金ガイドラインが、物価や工事費価格の変動を計画見直しの理由に挙げています。総合調査でも、積立額が計画より不足しているマンションが36.6%ありました。支援策としては、長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションの固定資産税を減額する措置が令和5年(2023年)4月1日に創設されています。管理計画認定を受けたマンションは、住宅金融支援機構の融資などで優遇を受けられる場合があります。省エネ改修を行ったことがある管理組合は27.9%で、内容は照明のLED化が94.6%でした。
見積もりや業者選びに迷ったときは、(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」(無料の見積チェックサービスあり)や、(公財)マンション管理センターに相談できます。
- 大規模修繕の周期:一般的に12~15年程度(長期修繕計画作成ガイドライン コメント)
- 設計・監理方式:コンサルタントの中立性と、適正な手続きでの業者選定が要点
- 談合違約金特約:請負契約に入れられる条項例を国土交通省が周知(令和7年6月26日事務連絡)
- 2026年9月28日:公正取引委員会が関東地区の大規模修繕工事で排除措置命令・課徴金納付命令
出典:国土交通省 長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント(令和6年6月改定)/国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果概要/国土交通省 報道発表「マンション大規模修繕工事の発注等に関する相談窓口の周知等について」(令和8年9月28日)/公正取引委員会 関東地区所在のマンションの管理組合が設計コンサル業者に委託して発注する大規模修繕工事の施工業者らに対する排除措置命令及び課徴金納付命令等について(令和8年9月28日)/国土交通省 設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について(平成29年1月27日)/国土交通省 マンション大規模修繕工事の発注等の適正化について(令和5年4月3日)/国土交通省 マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)/国土交通省 マンションの修繕積立金に関するガイドライン(令和6年6月改定)
9. 共用設備と法定点検
マンションの共用設備には、法律で点検や検査が義務づけられているものがあります。管理会社に任せている場合でも、点検の義務を負うのは設置者・所有者・管理者の側です。報告書が届いたら、指摘事項と対応予定を理事会で確かめます。
受水槽で水をためてから各戸に送るマンションで、受水槽の有効容量の合計が10㎥を超えるものは、水道法の「簡易専用水道」に当たります。設置者は、水槽の掃除を毎年1回以上定期に行い、地方公共団体の機関か国の登録を受けた検査機関の検査を毎年1回以上受けなければなりません。
消火器、自動火災報知設備、屋内消火栓などの消防用設備等は、消防法第17条の3の3にもとづいて定期に点検し、消防署長等に報告します。消防庁の説明では、機器点検は6か月に1回、総合点検は1年に1回です。報告は、共同住宅など非特定防火対象物は3年に1回、店舗などが入る特定防火対象物は1年に1回です。延べ面積1,000㎡以上で消防長等が指定したものなどは、消防設備士か消防設備点検資格者に点検させる必要があります。
建築基準法第12条の定期報告もあります。建物の敷地・構造・建築設備の調査は、特定行政庁(大阪府や市)が対象を定め、おおむね6か月~3年の間隔で報告します。エレベーターなどの昇降機や、建築設備・防火設備の検査は、おおむね6か月~1年の間隔です。自分のマンションが対象かどうかと報告の時期は、所管の特定行政庁が決めています。
機械式駐車場は、国土交通省の「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」が、マンションなどの駐車施設にも準拠を勧めています。管理者は、機種や使用頻度に応じて1~3か月以内に1度を目安に専門技術者の点検を受けることとされています(詳しくは「機械式駐車場の問題」の節)。電気設備は、受電の方式によって必要な保安の内容が変わるため、管理会社や電気保安の委託先に確かめてください。
- 受水槽(簡易専用水道・有効容量10㎥超):水道法第34条の2/水槽の掃除 毎年1回以上、検査 毎年1回以上
- 消防用設備等:消防法第17条の3の3/機器点検 6か月に1回、総合点検 1年に1回、報告 共同住宅は3年に1回(店舗等が入る特定防火対象物は1年に1回)
- 建物の定期調査:建築基準法第12条第1項/おおむね6か月~3年(特定行政庁が指定・時期を決定)
- エレベーター・建築設備・防火設備:建築基準法第12条第3項/おおむね6か月~1年
- 機械式駐車場:国土交通省ガイドライン/1~3か月以内に1度を目安に専門技術者が点検(法定ではなく推奨)
出典:e-Gov法令検索 水道法/e-Gov法令検索 水道法施行令(第2条)/e-Gov法令検索 水道法施行規則(第55条・第56条)/消防庁 消防用設備等点検報告制度について/消防庁 消防用設備等点検報告を自ら行っていただくために(パンフレット)/e-Gov法令検索 消防法施行規則(第31条の6)/e-Gov法令検索 建築基準法(第12条)/e-Gov法令検索 建築基準法施行規則(第5条・第6条)/国土交通省 機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン(改定版)
10. 機械式駐車場の問題
機械式駐車場は、維持と修繕に大きな費用がかかります。国土交通省の修繕積立金ガイドラインは、機械式駐車場がある場合、修繕積立金の目安に別に加算するとし、長期修繕計画の事例から1台あたり月額の修繕工事費を示しています。2段(ピット1段)昇降式で6,450円、3段(ピット1段)昇降横行式で7,210円、エレベーター方式・垂直循環方式で4,645円などです。
このため、会計を分ける考え方が示されています。標準管理規約のコメントは、機械式駐車場の維持・修繕に多額の費用がかかるので、管理費や修繕積立金と区分して経理することもできるとしています。長期修繕計画作成ガイドラインも、駐車場使用料会計を別に設けることを挙げています。駐車場の修繕費を使用料収入で賄うと決めて区分経理している場合は、修繕積立金の目安への加算は要らないとされています。
逆にいえば、使用料収入で修繕費を賄う前提の計画は、空き区画が増えて収入が減ると成り立たなくなります。利用台数と使用料収入の推移、今後の入替え費用の見込みを長期修繕計画で確かめておくことが出発点です。
機械式を撤去して平置きにする「平面化」は、共用部分の変更として総会の決議が必要です。法務省の説明資料は、2026年4月施行の改正で、倒壊などのおそれのある立体駐車場を取り壊して平置きの駐車場にする場合を、共用部分の変更の決議要件が3/4から2/3に下がる例として挙げています。
安全面では、国土交通省の「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」が、マンションなどの専用駐車施設で、利用者が自分で操作する際に乗降室内に人がいることの確認不足などによる重大事故が多く起きていると指摘しています。管理者には、利用者への操作方法の書面での説明、「無人確認」などの注意表示、1~3か月以内に1度を目安とした専門技術者の点検、管理責任者の選任と明示などを求めています。国土交通省は、保守点検を委託する業者を選ぶときのチェック項目をまとめた「機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針」も出しています。
- 会計の区分:管理費・修繕積立金と分けて経理できる(標準管理規約第29条コメント)
- 修繕積立金の目安への加算:1台あたり月額の修繕工事費×台数÷総専有床面積(修繕積立金ガイドライン)
- 平面化:共用部分の変更。倒壊等のおそれがある場合は出席者の2/3以上で可(改正区分所有法第17条第5項、法務省資料の例)
- 点検:1~3か月以内に1度を目安に専門技術者(ガイドライン)
出典:国土交通省 マンションの修繕積立金に関するガイドライン(令和6年6月改定)/国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(令和7年10月17日改正)/国土交通省 長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント(令和6年6月改定)/法務省民事局「区分所有法・被災区分所有法の改正について」(令和8年4月)/国土交通省 機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン(改定版)/国土交通省 機械式立体駐車場の安全対策/国土交通省 機械式駐車設備の適切な維持管理に関する指針
11. 管理会社への委託
管理組合は、管理の業務の全部または一部を、マンション管理業者(管理会社)に委託できます(標準管理規約第33条)。全部を任せる形、会計や清掃など一部だけを任せる形、どこにも委託せず組合員で行う「自主管理」があります。令和5年度マンション総合調査では、国の「マンション標準管理委託契約書」に概ね準拠している管理組合が93.8%でした。
マンション管理業を営むには、国土交通省の登録簿に登録を受けなければなりません。登録の有効期間は5年です。管理会社は、事務所ごとに、委託を受けている管理組合30組合に1人以上の割合で、専任の「管理業務主任者」(国家資格)を置きます。
新しく管理委託契約を結ぶときは、管理会社が説明会を開き、管理業務主任者が区分所有者と理事長などに「重要事項」を説明します。説明会の1週間前までに、重要事項を書いた書面を区分所有者と管理者等の全員に交付します。同じ条件で更新するときは、区分所有者全員に書面を交付し、理事長などには管理業務主任者が説明します。契約を結んだら、管理会社は契約内容を書いた書面を交付します。
管理会社は、預かった修繕積立金などを自社の財産や他の組合の財産と分けて管理しなければなりません。また、定期に、管理業務主任者から管理事務の報告をさせます。理事会では、この報告と通帳・残高証明の写しなどを照らし合わせると、お金の流れを確かめられます。
2026年4月施行の改正で、管理会社が管理組合の管理者を兼ね、工事などの発注者と受注者を兼ねるような場合は、利益相反のおそれがあるため、区分所有者への事前説明が義務づけられました。
- 登録:国土交通省のマンション管理業者登録簿、有効期間5年(適正化法第44条)
- 管理業務主任者:30組合に1人以上(同第56条、施行規則第61条)
- 重要事項説明:説明会の1週間前までに書面交付、管理業務主任者が説明(同第72条)
- 財産の分別管理(同第76条)、管理事務の報告(同第77条)
出典:e-Gov法令検索 マンションの管理の適正化の推進に関する法律/e-Gov法令検索 マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則/国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(令和7年10月17日改正)/国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果概要/法務省民事局「区分所有法・被災区分所有法の改正について」(令和8年4月)
12. よくあるトラブルと事例
国土交通省の令和5年度マンション総合調査(令和5年10月~令和6年3月に実施、最新)では、過去1年間のトラブルは「居住者間の行為、マナーをめぐるもの」が60.5%で最も多く、「建物の不具合に係るもの」31.7%、「費用負担に係るもの」24.2%が続きました。「特にトラブルは発生していない」は16.0%です。中身をみると、マナーでは「生活音」43.6%、「違法駐車」18.2%、「ペット飼育」14.2%、建物の不具合では「水漏れ」20.1%、「雨漏り」10.7%、費用負担では「管理費等の滞納」20.2%でした。管理費・修繕積立金を3か月以上滞納している住戸があるマンションは30.1%です。
管理費等の滞納は、早く手を打つほど回収しやすくなります。標準管理規約は、督促などの必要な措置をとること、遅延損害金や弁護士費用等を加えて請求できること、理事会の決議で理事長が訴訟その他の法的措置をとれることを定めています。コメントには、滞納者への段階的な措置をまとめたフローチャートが付いています。滞納分は、部屋を買った人など新しい区分所有者にも請求できます(標準管理規約第26条)。
上の階からの漏水は、原因が専有部分の配管か共用部分の配管かで、直す人と費用を持つ人が変わります。2026年4月の改正で、漏水被害を受けている区分所有者が、他の区分所有者の専有部分にある配管を自分で補修するよう請求できることが明確になりました。標準管理規約も、管理のために必要な範囲での専有部分への立入りや保存行為の請求を定めています。
生活音・ペット・駐車などのマナーの問題は、まず使用細則に何が書いてあるかを確かめます。標準管理規約では、規約や細則に違反した区分所有者などに対し、理事長が理事会の決議を経て、是正のための勧告や指示をすることができます。当事者どうしの話し合いだけに任せず、ルールにもとづいて管理組合として対応すると、感情的な対立を避けやすくなります。
役員のなり手不足も広がっています。総合調査では、外部役員の選任を検討している、または将来必要なら検討したいマンションが34.6%で、理由は「区分所有者の高齢化」42.7%、「役員のなり手不足」42.3%でした。判断に迷うときは、次の「マンション管理士・相談窓口」の節にある公的な窓口に相談できます。
- トラブルの上位(令和5年度):居住者間の行為・マナー60.5%、建物の不具合31.7%、費用負担24.2%
- 滞納への対応:督促→遅延損害金等の請求→理事会決議で法的措置(標準管理規約第60条)
- 規約・細則違反への対応:理事会決議を経た理事長の勧告・指示(標準管理規約第67条・第54条)
- 漏水:他の区分所有者の専有部分の保存請求ができることを明確化(改正区分所有法第6条第2項)
出典:国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果概要/国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果からみたマンションの居住と管理の現状/国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(令和7年10月17日改正)/法務省民事局「区分所有法・被災区分所有法の改正について」(令和8年4月)
13. マンションの高齢化(二つの老い)
国と法務省は、マンションでは建物と住む人の「二つの老い」が進んでいると説明しています。法務省の資料によると、分譲マンションのストックは2024年末で約713.1万戸です。築40年以上のマンションは2024年末で約148万戸あり、10年後(2034年末)には約293万戸、20年後(2044年末)には約483万戸になると推計されています。旧耐震基準のストックは約103万戸です。
住む人の高齢化も進んでいます。令和5年度マンション総合調査では、世帯主が70歳以上の割合は25.9%で、前回調査の22.2%から増えました。完成年次別では、築40年以上のマンションで世帯主が70歳以上の住戸の割合は55%です。管理組合運営の将来への不安でも「区分所有者の高齢化」が57.6%で最も多く、「居住者の高齢化」46.1%、「修繕積立金の不足」39.6%が続きます。
所在が分からない区分所有者がいると、決議が成立しにくくなり、その住戸の管理も止まります。総合調査では、所在不明・連絡先不通の住戸があるマンションは3.3%でした。2026年4月施行の改正で、裁判所が認めた所在等不明区分所有者を全ての決議の母数から外せるようになりました。また、裁判所が選んだ管理人に、所有者が分からない住戸や、ゴミの放置・配管の腐食などで周りに迷惑をかけている住戸・共用部分を管理させる制度もできました。海外に住む区分所有者のために「国内管理人」を選べる制度も新設されています。
認知症の兆候がみられる居住者への対応について、標準管理規約のコメントは、共同生活や共用部分の管理に支障を及ぼすおそれがある場合、管理組合は把握している緊急連絡先に連絡し、連絡先が分からない場合や状況が進まない場合は地域包括支援センター等に相談することが望ましいとしています。日ごろから組合員名簿・居住者名簿・緊急連絡先を整え、更新しておくことが前提になります。
役員を引き受ける人がいない場合の選択肢として、標準管理規約は外部の専門家の活用を示しています。理事会に外部専門家を入れる型、外部専門家を管理者にして理事会が監督する型、理事会を置かず総会が監督する型の3つです。国土交通省は、外部管理者方式に関するガイドラインも令和8年4月1日に改定しています。
- 築40年以上:約148万戸(2024年末)→約293万戸(2034年末)→約483万戸(2044年末)の推計
- 世帯主70歳以上:25.9%(令和5年度、前回22.2%)。築40年以上では55%
- 所在等不明区分所有者の除外、所有者不明専有部分管理制度、管理不全専有部分・共用部分管理制度、国内管理人(2026年4月施行)
- 認知症の兆候:緊急連絡先へ連絡、必要に応じて地域包括支援センター等へ相談(標準管理規約コメント)
出典:法務省民事局「区分所有法・被災区分所有法の改正について」(令和8年4月)/国土交通省 令和5年度マンション総合調査結果概要/国土交通省 マンション標準管理規約(単棟型)・同コメント(令和7年10月17日改正)/国土交通省 マンション管理(外部管理者方式等に関するガイドラインほか)
14. マンション管理士・相談窓口
「マンション管理士」は、マンション管理適正化法にもとづく国家資格です。登録を受け、専門的な知識をもって、管理組合の運営などについて理事長や区分所有者の相談に応じ、助言や指導を行います。管理会社側の資格である管理業務主任者とは立場が違い、管理組合の側から相談できる専門家です。
国の段階では、(公財)マンション管理センターが、建物・設備の維持管理などについて電話相談を受けています。リフォームや修繕工事の見積もりについては、(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターの「住まいるダイヤル」が相談を受け、無料の見積チェックサービスも行っています。
大阪府では、府と市町、関係団体でつくる「大阪府分譲マンション管理・建替えサポートシステム推進協議会」が、相談窓口の案内やセミナー、管理組合への専門家(アドバイザー)派遣を行っています。泉州の市では、岸和田市(住宅政策課)と泉佐野市(都市計画課)がマンション管理の案内ページを設けています。そのほかの市町は、市役所・町役場の住宅担当の部署に問い合わせてください。
2025年11月28日からは、管理組合への情報提供・相談・専門家派遣などを行う民間団体を都道府県知事等が登録する「マンション管理適正化支援法人」の制度も始まっています。認知症など福祉にかかわる相談は、地域包括支援センターが窓口です。
- マンション管理士:管理組合側の相談・助言を行う国家資格(適正化法第2条第5号)
- (公財)マンション管理センター:管理組合運営・維持管理の相談
- 住まいるダイヤル((公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター):工事・見積もりの相談
- 大阪府分譲マンション管理・建替えサポートシステム推進協議会:相談窓口案内・アドバイザー派遣
出典:e-Gov法令検索 マンションの管理の適正化の推進に関する法律/国土交通省 報道発表「マンション大規模修繕工事の発注等に関する相談窓口の周知等について」(令和8年9月28日)/大阪府 分譲マンションに関する相談・支援等について/大阪府分譲マンション管理・建替えサポートシステム推進協議会/公益財団法人マンション管理センター 電話相談/公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター 住まいるダイヤル/岸和田市 マンション管理計画認定制度(住宅政策課)/泉佐野市 マンション管理計画認定制度(都市計画課)/国土交通省 報道発表(令和7年8月26日)マンション管理適正化支援法人の登録制度等を11月28日から開始
15. 管理計画認定制度
「管理計画認定制度」は、管理組合が作った管理計画(修繕などの管理の方法、資金計画、組合の運営状況など)が一定の基準を満たすと、地方公共団体が「適切な管理計画を持つマンション」として認定する制度です。2022年(令和4年)4月から、地方公共団体が「マンション管理適正化推進計画」を作れるようになり、その計画を作った地域で申請できます。認定は5年ごとに更新しなければ効力を失います。
申請先は、市の区域は各市、町村の区域は大阪府です。泉州(岸和田市以南)では、熊取町・田尻町・岬町のマンションは大阪府に申請します。市では、岸和田市が令和4年4月に推進計画を作り、認定を行っています。泉佐野市も認定を行っており、(公財)マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」を使ったオンライン申請のみです。貝塚市・泉南市・阪南市は、各市に確かめてください。
大阪府に申請する場合の手数料は、支援サービスの事前確認適合証があれば6,400円、なければ30,500円です(長期修繕計画が1つの場合)。申請には総会の決議が必要で、長期修繕計画、直前の決算書類、修繕積立金の滞納状況、名簿を年1回以上更新していることがわかる書類などをそろえます。大阪府は、府独自の確認書や災害対応マニュアルも求めています。
認定を受けると、長寿命化に役立つ大規模修繕を行った場合の固定資産税の減額措置や、住宅金融支援機構の「フラット35」「マンション共用部分リフォーム融資」「マンションすまい・る債」での優遇を受けられる場合があります。なお、2027年(令和9年)4月1日からは、新築時に分譲事業者が認定を申請する仕組みと、認定マンションの表示制度が始まります。
- 申請先:市の区域は各市、町村の区域は大阪府(熊取町・田尻町・岬町は大阪府)
- 有効期間:5年(適正化法第5条の16)
- 認定を確認できた泉州の市:岸和田市・泉佐野市(2026年10月時点で各市のページを確認)
- 2027年4月1日:新築時の分譲事業者による認定申請と表示制度を開始
出典:e-Gov法令検索 マンションの管理の適正化の推進に関する法律/大阪府 マンション管理適正化法に基づく管理計画認定等/岸和田市 マンション管理計画認定制度/泉佐野市 マンション管理計画認定制度/国土交通省 報道発表(令和8年5月15日)来年4月1日からマンション管理計画認定制度の対象を拡充/国土交通省 マンション管理計画認定制度/公益財団法人マンション管理センター 管理計画認定手続支援サービス
16. 最近の法改正(2026年4月施行分)
2025年5月に「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和7年法律第47号)が成立し、5月30日に公布されました。区分所有法、マンション管理適正化法、マンション建替え円滑化法(改正で「マンションの再生等の円滑化に関する法律」に改称)などをまとめて改めたものです。施行は段階的で、地方公共団体の権限強化と支援法人の登録制度が2025年11月28日、中核の区分所有法の改正などが2026年4月1日、管理計画認定制度の見直しが2027年4月1日です。
管理組合の運営にかかわる主な点は次のとおりです。総会の決議は、建替えなどを除き出席者の多数決になりました。裁判所が認めた所在等不明区分所有者を、全ての決議の母数から外せるようになりました。共用部分の変更は、危険の除去やバリアフリー化のための場合に2/3で決められます。建替えは、耐震性不足などの客観的な事由があれば3/4で決められ、建物の更新(一棟リノベーション)・一括売却・取壊しも多数決でできるようになりました。
このほか、所在等不明や管理不全の住戸・共用部分を裁判所が選んだ管理人に管理させる制度、国内管理人の制度、共用部分の配管と専有部分の配管をまとめて更新しやすくする仕組み、管理者が元の区分所有者の分も含めて損害賠償請求をまとめて行えることの明確化、管理会社が管理者を兼ねる場合の事前説明の義務化などが入りました。
国土交通省は2025年10月17日に標準管理規約を改正し、各マンションでも管理規約の見直しが必要になると案内しています。2026年4月1日以降に招集する総会は、改正法に沿った定足数と決議要件で行う必要があります。自分のマンションの規約が改正に対応しているか、まだであれば改正の手続きをどう進めるかを、理事会で早めに確かめてください。条文の細かな適用は、e-Gov法令検索の最新の条文と、国土交通省・法務省の説明資料で確認してください。
- 2025年5月30日公布(令和7年法律第47号)
- 2025年11月28日施行:地方公共団体の権限強化、マンション管理適正化支援法人の登録制度
- 2026年4月1日施行:区分所有法の改正(出席者多数決、所在等不明者の除外、建替え要件の緩和、新しい再生手法、財産管理制度、国内管理人など)ほか
- 2027年4月1日施行:管理計画認定制度の見直し(新築時の認定申請、認定マンションの表示制度)
出典:法務省 老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律について/法務省民事局「区分所有法・被災区分所有法の改正について」(令和8年4月)/国土交通省 報道発表(令和7年8月26日)改正法の一部の施行期日を定める政令等/国土交通省 報道発表 改正マンション関係法の施行に伴う関係政令を閣議決定(令和8年4月1日施行)/国土交通省 報道発表(令和8年5月15日)管理計画認定制度の対象を拡充/国土交通省 マンション標準管理規約/e-Gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律(令和8年4月1日施行版)