医療・福祉・子育て 2026/11/01 掲載
介護保険料の基準額を8市町で比べる(第9期・令和6〜8年度)
65歳以上の介護保険料の基準額(月額)は、第9期で8市町とも全国平均6,225円より高く、大阪府平均7,486円より低い水準です。6,250円から6,990円まで740円の幅があります。
65歳以上(第1号被保険者)の介護保険料は、市町村ごとに3年に1度決まる基準額に、所得段階ごとの割合を掛けて算出します。基準額は、介護サービスの総費用のうち第1号被保険者の負担分を第1号被保険者数で割って求めます(貝塚市の説明)。熊取町によると、第9期(令和6〜8年度)の負担割合は第1号被保険者が23%、40〜64歳の第2号被保険者が27%です。市町村が自分で費用を見積もるため、同じ制度でも額は市町村ごとに違います。以下では、各市町が年額で示す基準額を12で割った月額を比べます。
大阪府が公表している一覧(2024年4月8日更新)で第9期の月額を高い順に並べると、泉佐野市6,990円、田尻町6,750円、岸和田市6,733円、貝塚市6,477円、熊取町6,321円、阪南市6,300円、泉南市と岬町が6,250円です。最も高い泉佐野市と最も低い泉南市・岬町の差は740円で、年額にすると8,880円になります。泉佐野市が年83,880円、泉南市と岬町が年75,000円と、市と町の公式ページに載る年額とも合っています。
国と府の平均と並べると、位置がわかります。厚生労働省が2024年5月に公表した全国の加重平均は6,225円、大阪府の加重平均は7,486円です。8市町はすべて全国平均を上回り、差は泉南市・岬町の25円から泉佐野市の765円までです。一方、府平均はどの市町も下回り、差は泉佐野市の496円から泉南市・岬町の1,236円までです。府内の最高は大阪市の9,249円、最低は千早赤阪村の4,666円で、8市町はその中間にあります。府の平均が全国より高いのは、被保険者の多い大阪市などの高い額が加重平均に効いているためと考えられます。
第8期(令和3〜5年度)からの動きは市町で分かれました。上がったのは5市町で、岸和田市が6,375円から6,733円(358円増、約5.6%)、貝塚市が6,169円から6,477円(308円増、約5.0%)、泉佐野市が6,650円から6,990円(340円増、約5.1%)、岬町が6,000円から6,250円(250円増、約4.2%)、阪南市が6,200円から6,300円(100円増、約1.6%)です。泉南市(6,250円)、熊取町(6,321円)、田尻町(6,750円)は第8期と同額でした。下げた市町はありません。
増減を府・全国と比べると、8市町の上げ幅は穏やかです。府の加重平均は6,826円から7,486円へ660円(9.7%)上がり、全国は6,014円から6,225円へ211円(3.5%)上がりました。8市町で最も大きい岸和田市の358円増でも、府の平均上昇額の約半分です。全国の1,573保険者では、引き上げが712(45.3%)、据え置きが585(37.2%)、引き下げが276(17.5%)でした。8市町は5市町が上げ、3市町が据え置いたので、割合では全国より引き上げに寄っています。
据え置いた理由は、確かめられたのは熊取町だけです。町は、保険料の上昇を抑えるために介護給付費準備基金を取り崩し、基準額(月額)を第8期と同額にしたと説明しています。泉南市と田尻町について、理由を示す資料は確認できませんでした。基金は積み立てた分を使い切れば底をつくため、据え置きが次の期も続くとは限りません。泉佐野市は次の介護保険計画の見直しを令和9年度の予定としています。
実際に払う額は、基準額に所得段階の割合を掛けたものです。段階の数は市町で違い、岸和田市が16段階、貝塚市が13段階、泉南市と岬町が14段階です。岸和田市では基準額が年80,800円、世帯全員が住民税非課税の第1段階(基準額の0.285倍)は年23,100円です。岬町の最上位の第14段階は年165,000円で、基準額75,000円の2.2倍にあたります。基準額の差は市町の比較に使える目安ですが、個人の負担は所得段階で決まるため、通知書の段階と金額を確かめる必要があります。
要点
- 第9期(令和6〜8年度)の基準額・月額:泉佐野市6,990円、田尻町6,750円、岸和田市6,733円、貝塚市6,477円、熊取町6,321円、阪南市6,300円、泉南市・岬町6,250円(大阪府公表、2024年4月8日更新)
- 全国の加重平均は6,225円、大阪府の加重平均は7,486円。8市町はすべて全国平均より25〜765円高く、府平均より496〜1,236円低い
- 第8期から上がったのは5市町(岸和田市+358円、泉佐野市+340円、貝塚市+308円、岬町+250円、阪南市+100円)。泉南市・熊取町・田尻町は同額
- 府平均の上昇は660円(9.7%)、全国は211円(3.5%)。8市町で最大の上げ幅358円は府平均の上昇額の約半分
- 熊取町は介護給付費準備基金を取り崩して据え置いた。泉南市・田尻町の理由は確認できなかった
- 個人の保険料は基準額に所得段階の割合を掛けて決まる。段階数は岸和田市16、貝塚市13、泉南市・岬町14
出典:大阪府 大阪府内の第1号被保険者の保険料基準額一覧(第9期 令和6から8年度)(2024年4月8日更新)/厚生労働省 第9期介護保険事業計画期間における介護保険の第1号保険料及びサービス見込み量等について(2024年5月)/厚生労働省 第9期介護保険事業計画期間における第1号保険料の集計結果(保険者別・都道府県別)/岸和田市 介護保険料と納め方(2026年4月1日掲載)/貝塚市 介護保険料(令和6年度~令和8年度)/泉佐野市 介護保険料/熊取町 熊取町介護保険料について/岬町 令和6年度~8年度岬町介護保険料