泉州しらべver0.92

歴史と文化 2026/11/04 掲載

国宝と重要文化財の建造物を市町ごとに数える

泉州8市町

8市町にある国指定の建造物(国宝2件を含む16件)を、大阪府の一覧表から市町別、時代別、用途別に数えました。泉佐野市が6件で最多、泉南市と田尻町は0件で、桃山の4件はすべて神社の社殿でした。

数え方は、大阪府教育庁文化財保護課が府のサイトで公開している「府内指定等文化財一覧表」の市町別の表にそろえました。国指定・登録の掲載時点は2026年3月1日、府指定は同年3月24日です。この表で、区分が国、種別が建造物(建築物)の指定を8市町で拾うと16件で、そのうち国宝は2件、残りは重要文化財です。市町別では泉佐野市が6件、岸和田市と熊取町が各3件、貝塚市が2件、阪南市と岬町が各1件で、泉南市と田尻町は0件でした。表は1行を1件として数えており、1行に複数の棟を含むものもあります。

国宝の2件は、貝塚市の孝恩寺観音堂と泉佐野市の慈眼院多宝塔です。文化庁の国指定文化財等データベース(文化遺産オンライン掲載)によると、孝恩寺観音堂は貝塚市木積にある鎌倉後期(1275年から1332年)の建物で、桁行・梁間とも五間、寄棟造、本瓦葺です。慈眼院多宝塔は泉佐野市日根野にあり、文永8年(1271年)の建立とされ、三間多宝塔、檜皮葺です。2件とも重要文化財の指定は1903年4月15日、国宝の指定は1953年11月14日で、同じ日付です。泉佐野市は、多宝塔を市内で唯一の国宝と紹介しています。

16件を表の時代欄で分けると、鎌倉が4件、室町が3件、桃山が4件、江戸が5件です。鎌倉は孝恩寺観音堂、慈眼院多宝塔と同じ寺の金堂、熊取町の来迎寺本堂で、来迎寺本堂は熊取町のページが嘉暦4年(1329年)の建立とし、文化庁のデータベースは鎌倉後期としています。室町は岸和田市の大威徳寺多宝塔(永正12年、1515年)、泉佐野市の意賀美神社本殿(嘉吉2年、1442年)と火走神社摂社の幸神社本殿です。鎌倉と室町を合わせた7件、つまり16件のうち4割強が中世の建物です。

用途で分けると、社殿が7件、寺院の堂塔が6件、住宅が3件です。社殿には、寺の境内にある総福寺鎮守天満宮本殿(泉佐野市)を含めました。時代との重なりが目立ち、桃山の4件、すなわち岸和田市の積川神社本殿と兵主神社本殿、泉佐野市の総福寺鎮守天満宮本殿、岬町の船守神社本殿は、すべて社殿です。寺院の堂塔は鎌倉が4件を占めます。住宅の3件は奥家住宅(泉佐野市)、降井家書院と中家住宅(ともに熊取町)で、表ではどれも江戸前期です。熊取町の3件は寺院1件と住宅2件の組み合わせで、ほかの市町と性格が異なります。

指定が0件の泉南市と田尻町にも、建築の文化財はあります。泉南市には府指定の男神社本殿(2016年4月5日指定、17世紀中頃)があり、田尻町には府指定の嘉祥神社本殿(桃山)と田尻歴史館(旧谷口家吉見別邸、大正11年)があります。国の登録有形文化財(建造物)は、指定とは別の区分として表に載っています。登録の行数は貝塚市が19件、泉佐野市が8件、岸和田市が7件、泉南市と阪南市が各2件で、熊取町、田尻町、岬町は0件です。貝塚市の19件のうち14件は、所在地欄が北町、西町、新町、南町の住宅です。

この比較には限りがあります。数えたのは建造物だけで、久米田寺の文書のような美術工芸品や、史跡、名勝は含めていません。史跡は別の記事で扱っています。市町が独自に指定した建造物も表に載っていますが、国と府の指定と性格が違うため数えていません。また、表の時代欄は大まかな区分で、同じ鎌倉後期でも建立の年がわかるものとわからないものが混ざっています。件数の多さは、市町の面積や古い寺社の数とも関わるため、文化財への取り組みの優劣を示す数字ではありません。

要点

出典:大阪府 府内指定等文化財一覧表(国指定・登録は令和8年3月1日、府指定は同年3月24日掲載時点)/大阪府 府内指定等文化財一覧表 貝塚市(PDF)/大阪府 府内指定等文化財一覧表 泉佐野市(PDF)/文化庁 文化遺産オンライン 孝恩寺観音堂(国指定文化財等データベース掲載)/文化庁 文化遺産オンライン 慈眼院多宝塔(国指定文化財等データベース掲載)/文化庁 文化遺産オンライン 来迎寺本堂(国指定文化財等データベース掲載)/熊取町 国指定重要文化財/泉佐野市 歴史あるまち

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