人口と暮らし 2026/11/01 掲載
空き家の数と空き家率を6市町で比べる(2023年・住宅・土地統計調査)
2023年10月の住宅・土地統計調査で、岸和田市以南の6市町の空き家率は9.9%から15.2%まで開きました。賃貸用とその他の空き家の内訳、標本調査の限界も整理します。
空き家の数は、総務省の住宅・土地統計調査で市町ごとに調べられています。直近は2023年10月1日現在の調査で、全国から抽出した約20万の調査区、約340万の住戸と世帯を対象にした標本調査です。市町の数字は、その抽出結果から求めた推計値になります。この調査の市町別の表には、岸和田市、貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市、熊取町の6市町が載っています。田尻町と岬町は載っていないため、この記事では比べられません。
住宅総数に占める空き家の割合を、公表された住宅総数と空き家数から計算しました。高い順に、阪南市が15.2%(3,680戸)、貝塚市が14.8%(6,350戸)、岸和田市が13.8%(12,550戸)、泉南市が13.5%(3,650戸)、泉佐野市が12.3%(6,280戸)、熊取町が9.9%(1,940戸)です。大阪府全体は14.2%、全国は13.8%でした。阪南市と貝塚市は府の平均を上回り、岸和田市は全国と同じ水準、熊取町は6市町の中で最も低くなっています。
ただし、空き家には性格の違う四つの種類があります。調査の用語では、賃貸のために空いている「賃貸用の空き家」、売るために空いている「売却用の空き家」、別荘や、たまに寝泊まりする人がいる住宅を指す「二次的住宅」、そしてそれ以外の「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」です。最後の区分には、転勤や入院で長期間不在の住宅、取り壊し予定の住宅が入り、種類の判断が難しい住宅も含まれます。以下ではこの区分を「その他の空き家」と略します。
種類別の内訳を見ると、市町の違いがはっきりします。空き家に占める賃貸用の割合は、泉佐野市で57%、貝塚市で56%、岸和田市と泉南市で約50%、阪南市で47%、熊取町で38%です。一方、その他の空き家の割合は、阪南市と熊取町で47〜48%、岸和田市で47%、泉南市で46%、貝塚市で40%、泉佐野市で34%でした。空き家率が同じ程度でも、貸し手を待つ部屋が多いのか、使われなくなった家が多いのかは、市町によって異なります。
その他の空き家を住宅総数で割ると、差がさらに見えます。阪南市は7.1%(1,730戸)で、岸和田市の6.5%(5,890戸)、泉南市の6.2%(1,690戸)、貝塚市の5.9%(2,520戸)が続き、全国の5.9%とほぼ同じか上回ります。泉佐野市は4.2%(2,160戸)、熊取町は4.8%(940戸)で、大阪府の4.6%に近い値でした。賃貸用を住宅総数で割ると阪南市は7.2%、貝塚市は8.3%で、貝塚市のほうが高くなります。阪南市の空き家率が6市町で最も高いのは、その他の空き家の多さが背景にあると読み取れます。
その他の空き家のうち一戸建ての占める割合は、阪南市で1,730戸のうち1,660戸(約96%)、泉南市で1,690戸のうち1,360戸(約80%)、岸和田市で5,890戸のうち4,420戸(約75%)です。長屋建や共同住宅が中心の賃貸用とは、建て方が大きく違います。売却用では、熊取町の260戸がすべて一戸建てで、空き家に占める割合は13.4%と6市町の中で突出しています。二次的住宅は、泉佐野市で130戸(2.1%)、泉南市で80戸(2.2%)、阪南市で90戸(2.4%)ありますが、熊取町の表には数字がなく「-」と示されています。
数字を読むときは、三つの点に気をつけてください。第一に、標本調査の推計値であり、この表には誤差の幅が示されていません。市町の数字は10戸単位に丸められているため、内訳の合計が総数と10戸ずれる市町もあります。第二に、空き家率は人が住んでいない住宅の割合であり、危険な状態の家の割合ではありません。賃貸用や売却用の多くは、通常の流通の途中にある住宅です。第三に、その他の空き家は判断が難しい住宅も含むため、すべてが放置された家とは限りません。
要点
- 2023年10月1日現在の空き家率は、阪南市15.2%、貝塚市14.8%、岸和田市13.8%、泉南市13.5%、泉佐野市12.3%、熊取町9.9%(大阪府14.2%、全国13.8%)
- 空き家の戸数は岸和田市12,550戸、貝塚市6,350戸、泉佐野市6,280戸、阪南市3,680戸、泉南市3,650戸、熊取町1,940戸
- その他の空き家の住宅総数比は阪南市7.1%、岸和田市6.5%、泉南市6.2%、貝塚市5.9%、泉佐野市4.2%、熊取町4.8%(全国5.9%、大阪府4.6%)
- 熊取町は売却用の空き家が260戸で空き家の13.4%を占め、すべて一戸建て(2023年)
- 標本調査の推計値で、市町の数字は10戸単位。田尻町と岬町は市町別の表に載っていない
出典:総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 統計表一覧(第1-2表 居住世帯の有無別住宅数、2023年10月1日現在)/総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査 第34-2表 空き家の種類、建て方別空き家数(全国、都道府県、市区町村)/総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査 調査の概要/総務省統計局 令和5年住宅・土地統計調査 用語の解説