泉州しらべver0.91

人口と暮らし 2026/11/01 掲載

出生数と合計特殊出生率で8市町を比べる

泉州8市町

2018〜2022年の合計特殊出生率は、8市町の中で田尻町1.52が最も高く、岬町1.18が最も低くなっています。2023年と2024年の出生数も並べ、小さな町の数字がぶれやすい点を整理します。

合計特殊出生率は、15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計した値で、1人の女性がその年次の年齢別出生率で一生の間に生むとしたときの子どもの数に相当します。厚生労働省が5年ごとにまとめる「人口動態保健所・市区町村別統計」には、平成30年から令和4年(2018〜2022年)の5年間の出生数と、令和2年国勢調査の日本人人口をもとにした市区町村別の値が載っています。全国の値は1.33、大阪府は1.29です。

この統計で8市町を高い順に並べると、田尻町1.52、泉南市1.45、岸和田市1.44、熊取町1.41、貝塚市1.35、泉佐野市1.23、阪南市1.19、岬町1.18です。全国の1.33を上回るのは田尻町・泉南市・岸和田市・熊取町・貝塚市の5市町で、泉佐野市・阪南市・岬町は大阪府の1.29も下回ります。最も高い田尻町と最も低い岬町の差は0.34です。対象外の隣の市町では、高石市が1.58、泉大津市が1.43、和泉市が1.37、忠岡町が1.35で、岸和田市以南の8市町より高い自治体も、泉州の中にあります。

小さな町の値は、観測された出生数が少ないために年ごとの上下が大きくなります。厚生労働省もこの点を認めており、人口規模の小さい地域では数値が不安定になるため、市区町村別の値にはベイズ推定という方法を使っています。市区町村自身の出生の実績に、その市区町村を含む都道府県全体の状況を加えて推定する方法です。この方法では、実績が少ない町ほど府全体の水準に近い値になるため、8市町の差は実際の観測値より小さく見えている可能性があります。

単年の出生数を見ると、ぶれの大きさがわかります。大阪府の統計で2023年から2024年への変化を比べると、岸和田市は1,144人から1,165人、貝塚市は368人から395人に増えました。一方、熊取町は240人から189人へ約21%減り、岬町は51人から40人へ約22%減り、阪南市も204人から173人へ約15%減っています。田尻町は両年とも48人でした。8市町の合計は3,010人から2,932人で、約2.6%の減少です。大阪府全体は55,292人から53,351人で、約3.5%減っています。

合計特殊出生率と、人口千人あたりの出生数(2024年)は、順位が一致しません。大阪府の統計で2024年の人口千対の出生率を見ると、岸和田市6.32、泉佐野市5.98、田尻町5.85、泉南市5.72、貝塚市4.89、熊取町4.40、阪南市3.59、岬町2.90です。合計特殊出生率が1.23の泉佐野市は、1.35の貝塚市より千対の値が高くなっています。千対の出生率は、高齢の住民も含めた全人口で割るため、年齢構成の影響を受けます。合計特殊出生率は女性の年齢別に出生率を出してから合計するので、年齢構成の違いをならした比較になります。

ここで挙げた合計特殊出生率は2018〜2022年の5年間の値で、2023年以降の出生数の減少は含まれていません。この統計は5年ごとに作られており、今回確認できたのは平成30年から令和4年の分です。次の値が出るまでは、毎年の出生数の増減と、この5年間の率を並べて読むことになります。町の数字を比べるときは、率の高低だけでなく、元になる出生数が年に数十人なのか数百人なのかを合わせて見る必要があります。

要点

出典:厚生労働省 平成30年〜令和4年人口動態保健所・市区町村別統計の概況/厚生労働省 同 統計表 市区町村別合計特殊出生率・標準化死亡比(平成30年〜令和4年)/厚生労働省 同 人口動態保健所・市区町村別統計について/厚生労働省 同 1 出生(合計特殊出生率の定義と全国の分布)/厚生労働省 同 参考 ベイズ推定とは/大阪府 人口動態調査(令和5年・令和6年の市町村別統計表)/大阪府 令和6年 人口動態総覧、保健所・市町村別/大阪府 令和5年 人口動態総覧、保健所・市町村別

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