防災 2026/10/25 掲載
土砂災害警戒区域の数を8市町で比べる
大阪府の2026年9月14日時点の表で8市町を比べると、土砂災害警戒区域は岬町327箇所が最多、田尻町1箇所が最少です。特別警戒区域の割合や災害の種類にも差があります。
土砂災害防止法に基づく区域の指定は大阪府知事が行い、府は市町村別の指定状況をひとつの表にまとめて公開しています。表の最終指定告示日は2026年9月14日で、府全体の指定は土砂災害警戒区域が8,383箇所、土砂災害特別警戒区域が7,773箇所です。このうち岸和田市以南の8市町の分を取り出して、区域の数、種類、指定の時期を比べます。
警戒区域の数が最も多いのは岬町の327箇所です。以下、阪南市231箇所、泉南市185箇所、岸和田市177箇所、貝塚市158箇所、泉佐野市103箇所、熊取町62箇所と続き、田尻町は1箇所にとどまります。市町境をまたぐ区域は関係する全市町村に数えられるため、8市町の単純な合計は1,244箇所ですが、重複を含む可能性があります。最多の岬町は、4番目の岸和田市の約1.8倍です。
特別警戒区域の数も同じ順に並び、岬町320箇所、阪南市219箇所、泉南市180箇所、岸和田市159箇所、貝塚市150箇所、泉佐野市85箇所、熊取町58箇所、田尻町1箇所です。警戒区域は土砂災害のおそれがある区域で、特別警戒区域はそのうち建築物に損壊が生じて住民の生命や身体に著しい危害が出るおそれがある区域だと、国土交通省の資料は整理しています。特別警戒区域では建築物の構造規制がかかり、警戒区域では情報伝達や警戒避難体制の整備が中心になります。
警戒区域に対する特別警戒区域の割合は、市町によって差があります。岬町が98%(327箇所のうち320箇所)、泉南市が97%、貝塚市と阪南市が95%、熊取町が94%、岸和田市が90%で、最も低い泉佐野市は83%です。この表だけでは、泉佐野市で割合が低い理由は分かりません。ただ、警戒区域の数が同じでも、建築の制限を伴う区域の数は市町で違ってきます。
災害の種類では、8市町すべてで急傾斜地の崩壊の区域が土石流の区域より多くなっています。警戒区域1,244箇所の内訳は、急傾斜地の崩壊が980箇所、土石流が262箇所、地すべりが2箇所(貝塚市と泉佐野市に1箇所ずつ)で、急傾斜地の崩壊が約79%を占めます。土石流の割合は泉佐野市が30%、岸和田市と貝塚市が29%と高く、泉南市は15%、阪南市は10%弱にとどまります。急傾斜地の崩壊が占める割合は、阪南市で約90%、泉佐野市で約69%です。
指定の時期にも特徴があります。府の表に載る各市町の最新の告示日は、泉南市が2016年9月6日、泉佐野市と阪南市が9月9日、岸和田市、貝塚市、熊取町が9月13日で、岬町は2017年5月31日、田尻町は2015年3月26日です。8市町のうち6市町の最新告示日が、2016年9月の1か月に集まっています。一方、府は令和元年東日本台風のときに区域外でも土砂災害が起きたことを受けて、高精度な地形データで新たに約4,300箇所の「発生源となるおそれのある箇所」を抽出し、現地調査後に区域指定を行うと公表しています。公表の対象に岸和田土木事務所管内で挙がっているのは、岸和田市、貝塚市、熊取町、泉佐野市、泉南市、阪南市、岬町の7市町で、田尻町は含まれていません。
箇所数は区域の広さや住民の数を表すものではない点に注意が要ります。府も区域の範囲はおおよその目安として見るよう案内しており、自宅や避難経路が区域にかかるかどうかは、府の土砂災害の防災情報の地図や各市町のハザードマップで確かめる必要があります。8市町の数字は、今後の現地調査で区域が追加されれば変わります。
要点
- 警戒区域(2026年9月14日時点):岬町327、阪南市231、泉南市185、岸和田市177、貝塚市158、泉佐野市103、熊取町62、田尻町1(箇所)
- 特別警戒区域:岬町320、阪南市219、泉南市180、岸和田市159、貝塚市150、泉佐野市85、熊取町58、田尻町1(箇所)
- 警戒区域に対する特別警戒区域の割合は、岬町98%から泉佐野市83%まで差がある
- 8市町の警戒区域1,244箇所のうち急傾斜地の崩壊が980箇所、土石流が262箇所、地すべりが2箇所
- 表にある各市町の最新告示日は2015年3月から2017年5月。府は約4,300箇所の発生源となるおそれのある箇所を新たに公表(田尻町は対象外)
出典:大阪府 大阪府内の土砂災害防止法の指定状況(2026年9月14日更新)/大阪府 土砂災害防止法に基づく区域指定状況(市町村別集計表・最終指定告示日2026年9月14日)/大阪府 新たな「土砂災害の発生源となるおそれのある箇所」の公表について/国土交通省 土砂災害防止法の概要(参考資料2)