防災 2026/11/01 掲載
8市町のため池の数と防災
大阪府のため池データベース(令和7年3月末)などの公表値から、岸和田市以南の8市町のため池の数、特定農業用ため池の数、耐震診断の実施数、ハザードマップの公開状況を比べました。
大阪府が公表した「ため池データベース」(令和7年3月末時点)では、府内のため池は3,529箇所、そのうち防災重点農業用ため池は2,352箇所です。防災重点ため池は、決壊したときに下流の家屋や公共施設へ被害が及ぶおそれのあるため池で、府内のため池の約3分の2にあたります。ただし、2,352箇所の市町ごとの内訳は、確認した府の資料に載っていませんでした。そこでこの記事では、市町ごとに数えられる数字(ため池の数、特定農業用ため池の数、耐震診断の実施数)を並べます。
データベースの各行を市町ごとに数えると、8市町は岸和田市298、貝塚市135、岬町120、熊取町115、泉南市106、泉佐野市72、阪南市66、田尻町2で、合計914箇所です。府全体の約26%を占め、岸和田市だけで約8%にあたります。数え方は、各行の団体コードで分けたものです。岸和田市のコードには住所が堺市美原区の行が5行混じっていたため、これは除きました。田尻町のため池は、夫婦池と尾張池の2箇所です。
特定農業用ため池は、防災重点ため池のうち、個人や水利組合などが所有するものです。国や自治体など行政が所有する池は対象に入りません。府の指定一覧(令和7年3月31日)から数えると、岸和田市56、貝塚市27、泉佐野市5、泉南市64、阪南市56、熊取町27、田尻町1、岬町40で、合計276箇所です。府全体の1,332箇所の約21%にあたります。
ため池全体に占める特定農業用ため池の割合は、阪南市が約85%、泉南市が約60%、岬町が約33%、熊取町が約23%、貝塚市が20%、岸和田市が約19%、泉佐野市が約7%で、市町によって大きく違います(府全体は約38%)。特定農業用ため池は防災重点ため池の一部なので、泉南市には少なくとも64箇所、阪南市には少なくとも56箇所の防災重点ため池があることになります。泉佐野市の割合が低いのは、行政所有の池が多いためかもしれませんが、所有者別には数えていません。
府は、防災重点ため池のうち影響度の大きいA級からC級の764箇所(令和4年3月の計画改定時)を対象に、耐震診断を進めています。令和8年5月時点で診断を実施したため池は、岸和田市62、貝塚市38、泉佐野市33、泉南市33、熊取町20、阪南市17、岬町14、田尻町2で、8市町の合計は219箇所です。府全体の実施数は610箇所なので、約36%が8市町のため池です。
ハザードマップは、市町が池ごとに作って公開する形が中心です。貝塚市は17件の図を載せ、最新は令和8年3月の作成です。泉佐野市は平成29年度から作り、21件のPDFを公開しています(2025年8月14日更新)。熊取町は19件、阪南市は12件の図のページを置き、岬町は蛸池など7件を載せています(2025年8月1日更新)。岸和田市は、2026年1月5日の掲載で、地図配信サービス「祭都Naviきしわだ」から見る形です。
泉南市は、府のページが案内する市のため池ハザードマップのページが、2026年10月31日に開くと「見つかりません」と表示されました。市の総合防災マップ(令和4年3月作成)の公開ページにも、ため池の記載は確認できませんでした。田尻町のWeb版ハザードマップには、ため池が決壊した場合を想定した浸水範囲について、注記があります。図の件数は市町の作り方の違いで数え方が変わるため、件数の多さがそのまま備えの厚さを示すわけではありません。
要点
- 府内のため池は3,529箇所、防災重点農業用ため池は2,352箇所(令和7年3月末、大阪府)
- 8市町のため池は合計914箇所で府の約26%。最多は岸和田市の298、最少は田尻町の2
- 特定農業用ため池は8市町で276箇所(府全体1,332箇所)。ため池に占める割合は阪南市約85%から泉佐野市約7%まで
- 耐震診断の実施数は8市町で219箇所(令和8年5月時点、府全体610箇所)
- ハザードマップは池ごとの公開が中心。貝塚市17件、泉佐野市21件、熊取町19件、阪南市12件、岬町7件の図を確認
出典:大阪府 特定農業用ため池の指定やため池データベース等の公表について(令和7年3月末時点)/大阪府 ため池データベース(令和7年3月末時点)/大阪府 特定農業用ため池指定一覧(令和7年3月31日)/大阪府 ため池耐震性診断(令和8年5月時点の実施状況)/大阪府 ため池ハザードマップ(各市町の公開ページへのリンク)/貝塚市 ため池ハザードマップ(2025年6月4日更新)/泉佐野市 ため池ハザードマップ(2025年8月14日更新)/岸和田市 ため池ハザードマップを公開します(2026年1月5日掲載)