市町のすがた 2026/11/01 掲載
8市町の市制・町制施行と合併の歴史を年表で比べる
岸和田市以南の8市町が、いつ市や町になり、どんな合併を経たのか。1889年の町村制から1991年の阪南市誕生までを、各市町の公式な沿革で確かめ、年表にして比べます。
8市町の沿革は、全国で行われた2つの制度改正に照らすと並べやすくなります。総務省の資料によると、市制町村制は1889年(明治22年)4月1日に施行され、全国の町村数は約5分の1になりました。もう1つが1953年10月1日施行の町村合併促進法で、町村は人口8000人以上を標準とされ、1953年から1961年にかけて市町村数はほぼ3分の1になりました。以下では、各市町の公式な沿革で確かめられる年を、この2つとの関係で比べます。
市制施行の順に並べると、岸和田市が1922年(大正11年)で、市のプロフィールは全国で87番目としています。続いて貝塚市が1943年、泉佐野市が1948年4月1日、泉南市が1970年7月1日、阪南市が1991年10月です。5市の間隔は、岸和田から貝塚まで21年、貝塚から泉佐野まで5年、泉佐野から泉南まで22年、泉南から阪南まで21年で、一定のリズムはありません。
町は3つあり、熊取町が1951年11月3日、田尻町が1953年に町制を施行し、岬町は1955年4月1日に4つの町村が合併して誕生しました。熊取は1889年に大久保・五門など8か村が合併して熊取村になり、田尻は同じ年に吉見村と嘉祥寺村が合わさって日根郡田尻村になっています。村から町になるまでは、熊取が62年、田尻が64年です。岬町の場合は、1889年に多奈川・深日・孝子・淡輪の4村となった地域が、1955年に多奈川町・深日町・孝子村・淡輪村の合併でひとつの町になりました。
市になるまでに合併を挟んだかどうかで、道筋は分かれます。貝塚市は1889年の町村制で貝塚町が誕生し、1931年に麻生郷村・島村・南近義村・北近義村、1935年に木島村、1939年に西葛城村と合併を重ねて、1943年に市になりました。泉佐野市は先に佐野町が1948年に市制を施行し、1954年に5か村が合併して現在の市域ができています。泉南市は、1956年に6町村が合併して泉南町となり、1970年に単独で市制を施行しました。貝塚は合併の末に市となり、泉佐野は市制が先で合併が後、泉南は町を経て市になりました。
最も段階が多いのは阪南市です。1889年に14か村が東鳥取・尾崎・西鳥取・下荘の4村にまとめられ、1956年に東鳥取村を除く3町村が合併して南海町になりました。東鳥取村は1960年に町制を施行し、1972年10月に両町が合併して阪南町、1991年10月に市制を施行して阪南市になっています。4村の成立から市になるまでは102年かかっており、2つの町が合併してから市になったのは、8市町の中で阪南市だけです。
総務省が昭和の大合併の期間とする昭和28年(1953年)から昭和36年(1961年)の間に、5つの市町で動きがありました。田尻町の町制施行(1953年)、泉佐野市の5か村の合併(1954年)、岬町の誕生(1955年)、泉南町と南海町の成立(ともに1956年)、東鳥取村の町制施行(1960年)です。いずれも各市町の公式な沿革で年が確かめられますが、これらが町村合併促進法などに基づく合併かどうかは、公式の沿革ページからは読み取れません。岸和田市と貝塚市は終戦前に市制を施行し、熊取町の町制施行(1951年)もこの期間より前です。
沿革の最新の動きとして、2026年(令和8年)10月5日の「泉州南未来像研究会」で、泉佐野市と泉南市が、合併を一つの選択肢として研究・検討する新たな任意研究会の設置を提案しました。阪南市の公表では、阪南市と熊取町に参加の呼びかけがあり、阪南市は10月21日の市議会全員協議会で説明したうえで、参加する方針を決めています。阪南市は、この参加が合併への同意や合併を前提とするものではないとしています。ほかの市町の対応は、この記事では確かめていません。
要点
- 市制施行:岸和田市1922年・貝塚市1943年・泉佐野市1948年・泉南市1970年・阪南市1991年(各市の公式な沿革による)
- 町の成立:熊取町は1951年に町制施行、田尻町は1953年に町制施行、岬町は1955年4月1日に4町村が合併して誕生
- 阪南市は1889年の4村から、1956年の南海町、1960年の東鳥取町制、1972年の阪南町を経て、1991年10月に市制施行(102年)
- 総務省が昭和の大合併とする1953〜1961年に、田尻・泉佐野・岬・泉南・阪南(南海・東鳥取)の5市町で町制施行または合併があった
- 2026年10月5日、泉佐野市と泉南市が合併を一つの選択肢とする任意研究会を提案。阪南市は参加方針を決定(合併を前提としないと公表)
出典:総務省 市町村数の変遷と明治・昭和の大合併の特徴/岸和田市 プロフィール(岸和田市の概要、2022年8月22日掲載)/貝塚市 第6次貝塚市総合計画 はじめに(2026年10月1日更新のページから)/泉佐野市 泉佐野市の概要(2026年5月22日更新)/泉南市 令和3年度版泉南市統計書(市の沿革・市域の変遷)/阪南市 市の生い立ち/阪南市 合併を一つの選択肢として研究・検討する新たな任意研究会への参加方針について(2026年10月)/熊取町 歴史/田尻町 歴史・地勢(位置・沿革・町域面積)/岬町 まちのあゆみと現況