市町のすがた 2026/11/01 掲載
8市町の総合計画を比べる:期間・将来像・目標人口
岸和田市以南の8市町が掲げる総合計画の名前、期間、将来像のことば、人口の見通しを、各市町の公式資料で確かめて並べました。終わる年は2027年から2034年まで開いています。
総合計画は市町の最上位の計画で、将来像を示す基本構想と、施策を並べる基本計画からなります。8市町の現行の計画は、熊取町の第4次(2018年度から2027年度)、泉佐野市の第5次(2019年度から2028年度)、田尻町の第5次(2020年度から2029年度)、岬町の第5次(2030年が目標年次)、泉南市の第6次(2032年度が最終年度)、阪南市の総合計画(2022年度から2033年度)、岸和田市の第5次「将来ビジョン・岸和田」(2023年度から2034年度)です。貝塚市は第5次の期間が2025年度で終わり、第6次を策定する段階にあります。
期間の長さは二通りです。熊取町・泉佐野市・田尻町・泉南市の基本構想は10年で、岸和田市と阪南市は12年です。12年の2市は、基本計画を4年ごとに見直す仕組みを採っています。岸和田市は市長が掲げる公約と迅速に連動させるため、阪南市は市長公約との連動性を確保するため、と資料に書いています。貝塚市の第6次の案も、基本構想12年・基本計画4年を3期とする構成です。目標年次が最も早く来るのは熊取町の2027年度で、次の計画の動きは今回の確認では見つかりませんでした。
将来像のことばは、各市町の個性が出ています。岸和田市は「個性きらめき 魅力あふれる ホッとなまち 岸和田」、泉佐野市は「世界に羽ばたく国際都市 泉佐野 ひとを支え ひとを創り 賑わいを創る」です。泉佐野市は、関西国際空港の玄関都市であることを踏まえ、来訪者だけでなく住む人も国際化していくことを将来像に表したと説明しています。田尻町は「未来へ広がる空と海、笑顔が集うコンパクトシティ・たじり」で、8市町の将来像の文言のうち「コンパクトシティ」の語を入れているのは田尻町だけです。
泉南市は「ちょっとええやん なかなかええやん ~かんじる つながる ひろがる 住人十色のまち せんなん~」と、地元の言葉を前面に出しました。計画では、10年後、20年後に「めっちゃええやん」と言えるまちを目指すとしています。阪南市は「共創による新しい地域価値が創造され、誰もが輝ける舞台都市・阪南」、熊取町は「住みたい 住んでよかった ともにつくる“やすらぎ”と“ほほえみ”のまち」、岬町は「みんなでつくる 恵み豊かな温もりのまち“みさき”」です。文末を見ると、「都市」で結ぶのは泉佐野市と阪南市で、岸和田市・熊取町・岬町・泉南市は「まち」で結んでいます。
人口の見通しは、同じ「目標」でも中身が違います。泉佐野市は2028年に102,209人を将来目標人口とし、2015年国勢調査の100,966人より1,243人多い水準です。岬町は2030年に13,900人を目標人口とし、人口減少の抑制を最優先課題に置いています。田尻町は2029年度に概ね8,700人(施策で人口移動と出生率が改善した場合の推計)、熊取町は人口ビジョンをもとに2027年に43,000人程度、阪南市は2035年に43,000人と「想定」しています。
泉南市は2032年の総人口を約5.26万人と推計し、人口増加を目指すことを前提にした取組は効果的とは言えない、と書いています。岸和田市は2034年の推計値を約166,000人(人口ビジョンに載る国立社会保障・人口問題研究所の推計)とし、施策で転出を抑えて「推計値よりも人口が増加していくことをめざす」とだけ述べ、数値の目標は置いていません。人口が増える前提で作るのか、減ることを前提に暮らしやすさを高めるのか、その姿勢は8市町で分かれています。
貝塚市は2016年に策定した第5次総合計画で、「魅力かがやき 未来へつなぐまち 貝塚」をまちづくりの方針としていました。現在公開されている第6次の案は、将来像を「ともに創る 新しいまち貝塚」とし、2037年に7.3万人以上を目標人口とします。2040年に性別・年代別の全体で純移動数(転入と転出の差)をプラスにする、という目標が前提です。この案は2026年7月の審議会に示されたもので、議会での決定の有無は今回の確認では確かめられませんでした。
要点
- 目標年次の順:熊取町2027年度、泉佐野市2028年度、田尻町2029年度、岬町2030年、泉南市2032年度、阪南市2033年度、岸和田市2034年度(各市町の基本構想・計画書)
- 基本構想12年は岸和田市(2023~2034年度)と阪南市(2022~2033年度)。貝塚市の第6次の案も12年で、基本計画は4年を3期です
- 泉佐野市は2028年に102,209人を目標とし、2015年国勢調査の100,966人を1,243人上回る設定です。泉南市は人口増加を前提にしない立場を書いています
- 人口の数字の性格:目標(泉佐野市・岬町13,900人)、想定(熊取町・阪南市)、推計(泉南市・岸和田市)、案(貝塚市7.3万人以上、2037年)
- 貝塚市の第5次(2016年策定)は2025年度で期間が終わり、第6次の案が2026年7月の審議会に出ています(議決の有無は未確認)
出典:岸和田市 総合計画「将来ビジョン・岸和田」基本構想(2023~2034年度・2022年12月策定)/貝塚市 第6次貝塚市総合計画(案)(2026年7月9日 第5回総合計画審議会 資料2)/泉佐野市 第5次泉佐野市総合計画 基本構想・基本計画(2019年12月策定)/泉南市 第6次泉南市総合計画 基本構想/阪南市 阪南市総合計画(基本構想・前期基本計画、2022年4月版)/熊取町 熊取町第4次総合計画 基本構想(2018年度~2027年度)/田尻町 第5次田尻町総合計画 基本構想(2020年度~2029年度)/岬町 第5次岬町総合計画 基本構想(2021年策定・後期基本計画は2026年3月)