泉州しらべver0.91

市町のすがた 2026/11/02 掲載

8市町の線引きを比べる:市街化区域と市街化調整区域の面積と割合

泉州8市町

8市町はどれも1970年6月20日に線引きされましたが、市街化区域の割合は熊取町の53.7%から岬町の18.0%まで大きく違います。国の都市計画現況調査(2025年3月31日現在)で面積、人口密度、用途地域を比べます。

都市計画法の仕組みでは、まちとして一体に整える範囲を「都市計画区域」に指定し、その中を二つに分けます。すでに市街地になっている区域と、おおむね10年以内に優先して計画的に市街化を進める区域が「市街化区域」で、市街化を抑えるべき区域が「市街化調整区域」です。この境目を決めることを区域区分といい、ふだんは「線引き」と呼ばれます。府のマスタープランも、市街化調整区域は維持と保全を基本とすると書いています。どこに線があるかで、まちが広がる余地も、土地の使われ方も変わります。以下の数字は、国土交通省の「令和7年都市計画現況調査」(2025年3月31日現在)の都市別一覧と、大阪府の南部大阪都市計画区域マスタープラン(2020年10月策定、2025年10月一部改定)によります。

8市町はどれも、大阪府が定める「南部大阪都市計画区域」に入っています。府のマスタープランによると、この区域は南河内、泉北、泉南の三つの地域からなり、現況調査では15市6町1村、87,506haの広さです。泉南地域の8市町は、地先の公有水面も含めて行政区域の全域が都市計画区域になっています。ただし岬町は例外で、孝子の地区が区域から外されています。現況調査でも、8市町のうち岬町だけが区域の範囲を「一部」としており、その都市計画区域は3,912haです。8市町の都市計画区域を足すと32,062haで、南部大阪都市計画区域のおよそ37%にあたります。岸和田市(7,305ha)、泉佐野市(5,651ha)、泉南市(4,898ha)、貝塚市(4,393ha)、岬町、阪南市(3,617ha)、熊取町(1,724ha)、田尻町(562ha)の順に広く、最も広い岸和田市と最も狭い田尻町では13倍ほどの差があります。

線引きが始まった日は、8市町とも同じです。現況調査の都市別一覧では、8市町の区域区分の決定年月日はそろって1970年(昭和45年)6月20日になっています。府のマスタープランは、区域区分がこの当初の決定から8回の一斉見直しを経て今に至ると説明し、2025年の一部改定とあわせて、2030年(令和12年)を目標とする第9回の一斉見直しを行うとしています。一方、区域区分が最後に変わった日は市町ごとに違います。新しい順に、岸和田市が2024年12月27日、泉南市が2024年3月21日、田尻町が2020年10月30日、泉佐野市が2016年3月30日、阪南市が2011年3月29日、貝塚市が2006年10月1日、熊取町と岬町が2006年3月17日です。熊取町と岬町は、2025年3月末の時点で19年ほど線が動いていないことになります。

市街化区域が都市計画区域に占める割合を高い順に並べると、熊取町53.7%、田尻町51.2%、岸和田市41.0%、貝塚市37.9%、泉佐野市36.8%、阪南市33.0%、泉南市27.1%、岬町18.0%です。大阪府全体の割合は50.6%、南部大阪都市計画区域は40.5%なので、府全体の水準を超えるのは熊取町と田尻町の二つだけで、岸和田市が南部大阪の平均とほぼ同じ位置にいます。半分を超える2町は、8市町の中で面積が最も小さい二つでもあります。8市町を合わせると、市街化区域は11,176.5haで割合は34.9%にとどまり、残りの20,885.5ha、約65%が市街化調整区域です。府全体では都市計画区域の半分強が市街化区域なのに対し、泉州南部では3分の2近くが市街化を抑える側に置かれていることが、この数字から読み取れます。

面積の実数で見ると、順位は変わります。市街化区域が最も広いのは岸和田市の2,996haで、泉佐野市2,079ha、貝塚市1,663ha、泉南市1,328ha、阪南市1,194ha、熊取町925ha、岬町704ha、田尻町287.5haと続きます。市街化調整区域は、岸和田市4,309ha、泉佐野市3,572ha、泉南市3,570ha、岬町3,208ha、貝塚市2,730ha、阪南市2,423ha、熊取町799ha、田尻町274.5haの順です。調整区域が市街化区域の何倍あるかを比べると、岬町が約4.6倍、泉南市が約2.7倍と大きく、熊取町は約0.86倍、田尻町は約0.95倍で、この2町だけ市街化区域の方が広くなっています。調整区域の中が農地なのか山林なのかといった内訳は、今回の資料では確かめていません。

市街化区域にどれだけの人が住んでいるかも比べます。現況調査には市街化区域の2020年国勢調査人口が載っているので、それを2025年3月31日現在の市街化区域面積で割りました(人口と面積の時点がずれている点に注意が要ります)。1ha当たりの人数は、岸和田市59.1人、貝塚市50.8人、熊取町47.4人、泉佐野市46.2人、阪南市41.6人、泉南市40.4人、田尻町23.7人、岬町18.2人です。府のマスタープランでは、市街化区域の人口密度を府全域で約90.0人/ha、南部大阪で約62.4人/ha、全国平均で約62人/haとしています。8市町はどれも南部大阪の値に届かず、最も高い岸和田市でも府全域の3分の2ほどです。熊取町は市街化区域の割合が8市町で最も高いのに、密度は中ほどにとどまります。田尻町も割合は2番目に高い一方で、密度は岬町に次いで低くなっています。

地区ごとに建ててよい建物の種類を決めるのが用途地域で、府のマスタープランが書くとおり、市町村が定める都市計画です。現況調査はこれを13種類に分けて集計しています。そのうち住居系の8種類(第1種低層住居専用地域から田園住居地域まで)が用途地域の合計に占める割合は、阪南市89.0%、熊取町82.3%、岬町81.6%、岸和田市70.3%、貝塚市62.1%、泉南市58.7%、田尻町32.7%、泉佐野市32.6%です。低い建物の住宅地を守る第1種低層住居専用地域は、熊取町が302.7ha、阪南市が389.8haで、どちらも用途地域の約3分の1を占めます。一方、田尻町にはこの地域の指定がありません。岸和田市は第1種住居地域が1,053.6haと8市町で最も広く、市の用途地域の36%ほどを占めています。阪南市では用途地域の9割近く、熊取町では8割強が住居系の指定です。

工業系の3種類(準工業地域、工業地域、工業専用地域)の割合は、田尻町66.6%、泉佐野市60.6%、泉南市36.2%、貝塚市34.2%、岸和田市25.0%、熊取町15.4%、岬町12.3%、阪南市8.2%の順です。泉佐野市は準工業地域だけで1,131.9haあり、市の用途地域の54.4%を占めます。田尻町も準工業地域が186.5haで、町の用途地域の64.9%です。住宅の割合が3割台にとどまる2市町は、いずれも準工業地域の多さが特徴になっています。工場のための用途に限る工業専用地域があるのは、岸和田市106.7ha、泉佐野市63.0ha、貝塚市30.9haの3市だけです。商業系の2種類(近隣商業地域、商業地域)は8市町とも用途地域の1割に届かず、最も高い泉佐野市でも6.8%、低い田尻町は0.7%です。府全体の商業系の割合は9.1%なので、泉州南部の市街化区域は府内の平均と比べて店舗や事務所向けの区域が少なめです。

線は今後も動きます。府のマスタープランは、第9回の見直しで南部大阪都市計画区域の市街化区域の規模を、2020年の実績35,324haに対し、2030年の目標とする規模を35,464haとしています(編入を保留する面積は含みません)。あわせて、事業の確実さがまだ足りない区域については、市街化区域への編入を保留しておき、おおむね5年以内に事業が見込めれば随時編入する仕組みを使うとしています。市町ごとにどこがどれだけ編入されるかは、このマスタープランには載っていません。なお、府全体の市街化区域は、2025年の現況調査では96,003.5ha、マスタープラン(2021年の現況調査をもとに算出)では約95,846haで、調査の時点によって数字が変わります。比べるときは、どの年の調査の数字かをそろえて見る必要があります。

要点

出典:国土交通省 令和7年都市計画現況調査(2025年3月31日現在)/国土交通省 令和7年都市計画現況調査 都市計画区域、市街化区域、用途地域(二)都市別一覧(2025年3月31日現在)/大阪府 南部大阪都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(都市計画区域マスタープラン)(2020年10月、2025年10月一部改定)

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